2001 Fiscal Year Annual Research Report
北九州及びルール工業地帯における再自然化に関する研究
Project/Area Number |
12750534
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Research Institution | The University of Kitakyushu |
Principal Investigator |
デワンカー バード 北九州市立大学, 国際環境工学部, 助教授 (60308187)
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Keywords | 工業地帯 / 都市基盤整備 / 工業跡地 / 自然環境の回復 / ビオトープ・ネットワーク |
Research Abstract |
本研究は、ルール工業地帯を事例とした自然回復のあり方を調査し、さらに、北九州工業地帯を取り上げて、都市基盤整備の指針を目的としている。ルール工業地帯は、依然重工業地帯でありながら、多くの失われた自然環境を取り戻すため、1989年から10年間に渡って、120プロジェクトの再自然化工事が行われてきた。この再生計画では、深刻な汚染が問題となったルール工業地帯の自然環境の回復計画で、また、産業維持と新たな経済発展を目指したものである。この計画では、都市部の自然環境を守るため、既存のビオトープをネットワーク化している。これらのビオトープをネットワーク化するため、政策手法として、ビオトープ図が作成された。そして、都市間に存在する広大な遊休地を利用し、都市近郊に大規模なレクリェーション・保養地域を建設することであった。都心部及び都市間の緑地を拡大し、さらに連結することによってエムシャー・パークを形成してきた。鉄道、道路のような既存のインフラと、このような新しいグリーン・インフラ・ネットワークは都市再開発の重要な軸となった。 現在、北九州市は鉄都からエコ・テクノロジー都市への転換を目指し、環境産業を柱とした「環境調和型都市」として蘇生しつつある。北九州工業地帯では、産業の変遷と一部衰退に伴う生活環境の変化に、既存の都市基盤機能は十分とは言い難く、次の産業への転換に向けて新しい都市基盤の整備が重要である。21世紀の今、20世紀になくしてしまった自然環境を回復し、水と緑に育まれた自然と調和した生活様式を取り戻すと共に、「環境調和型都市」の実現を目指し、新たに環境に配慮した都市づくりが望まれる。また、産業構造の転換を図るに当たって工業用地の再自然化を行うことにより、これまでのインフラ整備の在り方を見直すべきである。ルール工業地帯の分析に基づいて、北九州工業地帯における再自然化計画を検討し、自然回復・保全を実践するための整備指針とビオトープ・ネットワーク計画を提案している。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 太田俊明, 依田浩敏, デワンカー バート, 酒井陽一: "北九州学術研究都市におけるビオトープ・ネットワーク構築に関する研究"日本建築学会九州支部研究報告集. 257-260 (2002)
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[Publications] 平野加保里, 依田浩敏, デワンカー バート, 酒井陽一: "北九州学術研究都市周辺におけるビオトープ図を活用した緑地の保全と創出指針に関する研究"日本建築学会九州支部研究報告集. 261-264 (2002)
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[Publications] 足立純子, 大神なつき, 西田勝, デワンカー バート, 周南, 酒井陽一: "北九州市洞海湾地区におけるビオトープ図作成手法に関する研究"日本建築学会九州支部研究報告集. 265-268 (2002)
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[Publications] 大内雅雄, 酒井陽一, 坪田将浩, デワンカー バート, 尾島俊雄: "北九州工業地帯における再自然化に関する研究 その1・緑地の変遷と今後の展開プロセス"日本建築学会大会学術講演梗概集(関東). 895-896 (2001)
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[Publications] 大内雅雄, 酒井陽一, 坪田将浩, デワンカー バート, 尾島俊雄: "北九州工業地帯における再自然化に関ずる研究 その2・環境調和型都市づくり・黒崎地区を事例として"日本建築学会大会学術講演梗概集(関東). 897-898 (2001)
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[Publications] デワンカー バート: "北九州及びエムシャー工業地帯における再自然化に関する研究 黒崎地区をケーススタディとして"第9回地球環境シンポジウム土木学会、講演論文集. 57-62 (2001)
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[Publications] デワンカー バート, 尾島俊雄: "北九州及びエムシャー工業地帯における再自然化に関する研究 〜黒崎地区をケーススタディとして〜"日本建築学会関東支部研究報告集. 393-396 (2001)