2000 Fiscal Year Annual Research Report
地方都市における居住地移動及び都心回帰の実態とその方向性に関する研究
Project/Area Number |
12750565
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Research Institution | Ishikawa National College of Technology |
Principal Investigator |
佐藤 英代 石川工業高等専門学校, 建築学科, 助教授 (90311018)
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Keywords | 既成郊外住宅地 / 住み替え動向 / 高齢者の住要求 / 都心居住 / 住宅地の継承 |
Research Abstract |
金沢市において1960年代から1970年代にかけて計画・開発された郊外住宅地居住者に対し、住意識とこんごの住み替え要求についてへのアンケートを行った。 その結果、(1)全体の約6割が建設当初の住宅に住んでおり、約3割が第2世代、約1割が新居住者となっている。(2)65歳以上の高齢者を含む世帯は全体の49%であり、その半分以上が「単身」、「夫婦のみ」世帯である。(3)転居を希望しているのは全体の24%あり、その主な理由として「建物の老朽化」と「老後の生活環境として不安」が挙げられている。(4)居住者が高齢化するにしたがって、医療施設、公共交通機関、商店街などへの要求が高くなっている。(5)中心市街地への転居希望を示しているのは転居希望世帯のうちの12%であり、老後の住環境としての評価が高い。(6)中心市街地に建つマンション等集合住宅への居住については全体の28%が関心を示している。等が明かとなった。 建設から30〜40年が経過した郊外住宅団地においては現在、高齢化が著しくまた高齢者のみ世帯も目立ってきている。その結果、こんごの住環境としての不安を感じている世帯が多くなってきているが、大半は長年居住してきた住宅地への愛着からこんごも住み続けたいとの希望が強い。これらのような計画住宅団地がこんごも存続するためには、公共交通機関や医療施設などの再整備が早急に求められる。また、旧市街地への転居希望については、全体の28%が老後の住環境として関心を持ち、3%が実際に希望を示している。旧市街地を高齢者の居住環境として整備することにより、こんご中心部での人口回復の可能性が期待される。
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