2000 Fiscal Year Annual Research Report
Phase-Field法を用いた非線形組織制御法の開発
Project/Area Number |
12750583
|
Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
小山 敏幸 名古屋工業大学, 工学部, 助手 (80225599)
|
Keywords | 相変態 / 相分解 / シミュレーション / 非線形 / パターン形成 / 時効析出 / 拡散方程式 / 発展方程式 |
Research Abstract |
本研究はPhase-field法に基づき種々の合金の相分解過程を解析し、計算と実験を比較することによって、本手法の有用性および適応性を明確化するとともに、本手法を用いた非線形組織制御法を構築することを目的とする。現在までの成果は以下のようにまとめられる。 1.α-Ti/Ti_3Al2相領域におけるTi_3Al粒子の粗大化過程において、Ti_3Al粒子は球から棒状へと変化し、この実験データは理論解析と定量的に非常に良く一致した。 2.Al-rich TiAl金属間化合物の相分解においてTi_3Al_5析出相が析出する現象をPhase-field法に基づき解析した結果、相分解初期のツイード構造の配向性は、弾性異方性と拡散係数異方性のバランスによって決まり、相分解後期の析出相の形態は、弾性拘束によって支配されることが明らかとなった。 3.Ti-Mo合金の相分解過程を実験的に追及した結果、現在のTi-Mo2元合金の平衡状態図に存在するモノテクトイド反応が存在しないことが見出された。これについて平衡状態図ならびにPhase-field法に基づく理論解析を行った結果、固溶酸素がモノテクトイドを出現させる要因であることが示唆された。 4.非晶質半導体/金属2層膜のアニール時に出現するフラクタル状パターン形成に対して、Phase-field法に基づく解析を行った結果、形成されるパターン形態を定量的に再現できた。従来、フラクタル構造は確率論的なシミュレーションによって再現されていたが、強い非線形性まで考慮することが出来るPhase-field法によっても十分に解析可能なことを見出した。これは本手法が線形から非線形にいたる組織制御に対して広い適用性を有することを示唆している。
|
Research Products
(7 results)
-
[Publications] T.Koyama: "Experimental and Computational Investigations of the Fractal Pattern Formation in the Metal/Semiconductor Bilayer Films."Proc.of the 3rd Tohwa University International Conference on the "Statistical Physics". 185-187 (2000)
-
[Publications] 土井稔: "TiAl金属間化合物における相分離組織の形成"日本学術振興会第123委員会報告. 41. 467-472 (2001)
-
[Publications] 小山敏幸: "Ti-Mo合金におけるβ相の相分解に関する実験・理論的追究"(社)日本鉄鋼協会材料の組織と特性部会,チタン研究開発の新しい可能性フォーラムシンポジウム「チタン系合金開発の新しい展開」講演概要. 1-4 (2000)
-
[Publications] T.Miyazaki: "Computer Simulation of Phase Decomposition in Real Alloy Systems Based upon the Discrete Type Non-linear Diffusion Equation."Proc.of the Third International Conference on the Computing Anticipatory Systems(CASYS′99),ed.by D.M.Dubois. 526-537 (2000)
-
[Publications] T.Koyama: "Experimental and Theoretical Investigations of the Phase Decomposition in Ti-Al System" Proc.of the 2nd International Symposium on Designing,Processing and Properties of Advanced Engineering Materials (ISAEM-2000). (in Press). (2001)
-
[Publications] T.Maebashi: "Morphological stability of γ precipitates in an elastically constrained Ni-Al-Ti alloy"Proc.of the 2nd International Symposium on Designing,Processing and Properties of Advanced Engineering Materials(ISAEM-2000). (in Press). (2001)
-
[Publications] 計算機支援による組織制御研究会編: "「鉄鋼材料の計算機支援による組織制御」-平衡論から速度論まで-"(社)日本鉄鋼協会. 368 (2000)