2000 Fiscal Year Annual Research Report
ガラスライクフォノン散乱を示す結晶半導体の合成および熱電材料としての応用
Project/Area Number |
12750591
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
唐 新峰 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (70302213)
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Keywords | 熱電半導体 / フォノン散乱 / 固相反応 / キャリア濃度 / 電気伝導率 / ゼーベック係数 / 熱電性能指数 |
Research Abstract |
CoSb_3構造中のSb二十面体にCe、Ba、Srなどを充填させたスクッテルダイトを合成し、充填原子の種類および充填率によるフォノン散乱特性や電気的輸送性質に対する影響について調べ、以下の知見を得た。 1.Ce、Ba、Srを充填原子、Fe,Niを置換原子として、二段階固相反応法により、単相の充填スクッテルダイト化合物(Ce,Ba,Sr)_y(Fe,Ni)_xCo_<4-x>Sb_<12>の合成に成功した。Ce,Ba,Srの充填量はFe置換量の増加につれて増大し、Ni置換量の増加とともに減少した。 2.Feを置換原子とした(Ce,Ba,Sr)_yFe_xCo_<4-x>Sb_<12>のホール係数はプラス、p型伝導を示し、Niを置換原子とした(Ce,Ba,Sr)_yNi_xCo_<4-x>Sb_<12>のホール係数はマイナス、n型伝導を示した。(Ce,Ba,Sr)_yFe_xCo_<4-x>Sb_<12>のホール濃度と電気伝導率はCe、Ba、Srの充填量の増加につれて減少し、Fe置換量の増加につれて増大した。(Ce,Ba,Sr)_yNi_xCo_<4-x>Sb_<12>の電子濃度と電気伝導率はCe、Ba、Srの充填量およびNi置換量の増加につれて増大した。(Ce,Ba,Sr)_y(Fe,Ni)_xCo_<4-x>Sb_<12>のゼーベック係数はCe、Ba、Srの充填により増大し、キャリア濃度の増大とともに減少した。 3.(Ce,Ba,Sr)_y(Fe,Ni)_xCo_<4-x>Sb_<12>の熱伝導率はFeおよびNi置換により減少した。格子熱伝導率はCe、Ba、Srの充填により大幅に減少し、またある一定の充填量において格子熱伝導率は最低値に達し、フォノンガラス質の熱伝導の特徴を示す。Sbの二十面体の空洞に充填しているCe、Ba、Srはrattling効果を有し、ある一定の充填量の場合でrattlingによるフォノン散乱への効果が最も強くなったことを明らかにした。 4.組成の最適化により高性能熱電材料を得た。(Ce,Ba,Sr)_y(Fe,Ni)_xCo_<4-x>Sb_<12>の性能指数ZTは温度上昇につれて増大し、Ba_<0.3>Ni_<0.5>Co_<3.95>Sb_<12>試料は最大性能指数を示し、最大性能指数は800Kで1.2に達した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 唐新峰: "二段階固相反応法によるBa_yFe_xCo_<4-x>Sb_<12>の合成および電気的性質"粉体および粉末冶金. 47・11. 1165-1169 (2000)
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[Publications] Xinfeng Tnag: "Effects of Ce filling fraction and Fe content on thermoelectric properties of Co-rich Ce_yFe_xCo_<4-x>Sb_<12>"Journal of Materials Research. 16・3. 837-843 (2001)