2001 Fiscal Year Annual Research Report
ゴム変性によるエポキシ樹脂の高靭化と耐衝撃性に関する研究
Project/Area Number |
12750613
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
東藤 貢 九州大学, 応用力学研究所, 助手 (80274538)
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Keywords | ポリマーアロイ / 耐衝撃性 / 破壊靱性 / 高靱化メカニズム / 負荷速度依存性 |
Research Abstract |
ゴム変性エポキシ樹脂として,脆性的なエポキシ樹脂(エピコート828,(株)油化シェル)と液状ゴム(CTBN,(株)宇部興産)より作製した試料A,及び延性的なエポキシ樹脂(CY1005,日本チバガイギー(株))と架橋ゴム粒子(XER-91,JSR(株))より作製した試料Bを準備した.試料Aについては,ゴム粒子の重量含有率を5%,10%,20%とし,試料Bについては,ゴム粒子の含有率を20%とした.なお,CY1005については,CTBNゴムの添加は破壊靭性を逆に低下させる効果があることが以前の研究により確認されており,今回は架橋ゴム粒子による高靭化を試みた.破壊靭性試験は1.7×10^<-5>〜10m/sの負荷速度の範囲で3種類の試験システムを用いて行った. 試料Aの破壊靭性は負荷速度依存性が小さく,広範囲の負荷速度で安定した破壊靭性を示した.ゴム変性による高靭化はみられたが,ゴム含有率の影響は小さかった.一方,試料Bの破壊靭性は負荷速度依存性を示した.負荷速度が10^<-3>m/sより大きくなると破壊靭性は一旦低下するが,10^<-2>m/s以上ではほぼ一定となることが明らかになった.2種類の試料の破壊靭性の負荷速度依存性の差異は破壊のメカニズムに起因する.試料Aでは,ゴム粒子のキャビテーションや粒子周辺部での剪断塑性変形が主要な高靭化のメカニズムであり,広範囲の負荷速度で高靭化をもたらす.一方,試料Bでは,架橋ゴムの塊を破壊するのに要するエネルギーが低負荷速度では高靭化をもたらすが,高負荷速度では架橋ゴムの脆性化が起こるため,このメカニズムは高靭化をもたらさない. 本研究では,さらにゴム変性エポキシ樹脂に中空ガラス粒子を充填した宇宙構造用材料の破壊靭性の負荷速度依存性を調べた.その結果,負荷速度の増加と共に破壊靭性は上昇する傾向にあることが明らかになった.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] M.Todo, K.Takahashi, K.Higuchi: "Impact Fracture Behavior of Glass Bubbles Filled Epoxy Resins"Proceedings of the 16h Annual Technical Conference on Composite Materials. (CD-ROM). (2001)
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[Publications] M.Todo, K.Takahashi: "Loading-Rate Dependence of Mode I Fracture Behavior of Rubber-Toughened PMMA"Proceedings of the 10th International Conference on Fracture. (CD-ROM). (2001)