2000 Fiscal Year Annual Research Report
低温作動型燃料電池のための酵素イオン・混合伝導体の高圧合成法による探索
Project/Area Number |
12750615
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高村 仁 東北大学, 大学院・工学研究科, 講師 (30250715)
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Keywords | 超高圧合成 / パイロクロア型構造 / イオン導電率 / 錯体重合法 |
Research Abstract |
本研究では、構成元素の分極率が大きく従来の化合物より高いイオン伝導特性を発揮すると期待されるものの、常圧合成では立方晶パイロクロア型として存在できないLa-Ti-O系に着目し、錯体重合法と高圧合成を組み合わせることにより立方晶パイロクロア型化合物の作製を試み、その酸素イオン・混合伝導特性を明らかにすることを目的としている。 まず、錯体重合法および固相法を用い(La_<0.9>Sr_<0.1>)_2Ti_2O_7を同条件で合成したところ、錯体重合法では、固相法では不可能であった700℃といった低温においても化合物を合成することが可能であり、試料の低温合成に有効であることが確認された。配合組成をLa_2Ti_2O_7として700℃〜1300℃において錯体重合法により試料を合成したところパイロクロア相(La_2Ti_2O_7)が出現した。パイロクロア相は単射系に属する結晶構造であった。つづいて、この粉末を高圧合成(1000℃,5GPa,2時間)に供したが本実験条件下では立方晶構造への相変態は確認できなかった。来年度はさらに組成、温度、圧力を変化させ立方晶構造を有するLa_2Ti_2O_7パイロクロア相の合成を試みる計画である。 複素インピーダンス法により電気伝導度を測定しフィッティングを行ったところ、700℃で焼成されたLa_2Ti_2O_7のイオン伝導度は3.35×10^<-6>S/cm(700℃)と算出された。またアレニウスプロットからイオン伝導の活性化エネルギーはΔE_<ion>=1.25eV/molと算出された。1300℃で焼成されたLa_2Ti_2O_7は、700℃で焼成されたLa_2Ti_2O_7とは異なり侵入型Tiイオンによって支配される伝導機構を示した。
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Research Products
(1 results)