2000 Fiscal Year Annual Research Report
化学気相含浸法による炭化ケイ素基耐熱フィルターの作製
Project/Area Number |
12750627
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Research Institution | Aichi Institute of Technology |
Principal Investigator |
大澤 善美 愛知工業大学, 工学部・応用化学科, 助教授 (80278225)
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Keywords | 化学気相含浸法 / 炭化ケイ素 / 多孔質体 / セラミックスフィルター / DPF |
Research Abstract |
化学気相含浸(CVI)法を用いて各種多孔質炭素化物に炭化ケイ素を部分充填することにより、炭化ケイ素基多孔質体を合成し、耐熱セラミックスフィルターとして適用可能か明らかにすることを目的に検討を行った。これまでに得られた成果を以下に記す。 1.最適プリフォームの検討 ポリウレタンフォーム、フェノール系フォームを円柱状に成形したもの、及びコルゲート成形紙を巻き上げ加工したものを、アルゴンガス中、1000℃で4時間、熱処理し、多孔質炭素化物プリフォームを作製した。得られたプリフォームの空隙率はいずれも90%以上であり、又、細孔径は20〜100μm程度であった。これより、セラミックスフィルターの基材として適用可能であることがわかった。 2.プリフォームへの炭化ケイ素の含浸 まずポリウレタンフォームから得られた高空隙率プリフォームに、四塩化ケイ素(4%)-メタン(4%)-水素ガス系から、圧力パルスCVI法によって、炭化ケイ素を部分充填した。1050℃から1150℃の温度範囲で、β-SiC相のみが多孔質プリフォームの空隙内に析出することがわかった。より低温では、ケイ素の共析出がおき、又、高温ではプリフォーム外表面での膜生成が優先された。1150℃でプリフォーム内部に析出したβ-SiC膜の厚みは、プリフォームの深さ方向に対しほぼ一定であり、均一な充填が可能であることがわかった。空隙率はパルスCVI処理のパルス数(処理時間に対応)の増加につれ、直線的に減少した。3万パルス以上の処理では、残存空隙率は50%以下となり空孔の目詰まりが起きた。フィルターとして適用するにはこれ以下の処理で制御する必要があることがわかった。
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