2001 Fiscal Year Annual Research Report
大きなMR磁界感度を有するGIG(nano-Granular In Gap)膜の開発
Project/Area Number |
12750629
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Research Institution | Research Institute for Electric and Magnetic Materials |
Principal Investigator |
小林 伸聖 (財)電気磁気材料研究所, 薄膜材料グループ, 研究員 (70205475)
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Keywords | 磁気抵抗効果 / スピン依存トンネリング / 高電気抵抗 / 高磁界感度 / ナノグラニュラー構造 / 薄膜 |
Research Abstract |
本研究の目的は,従来実用材料であるパーマロイよりも大きなMR比(0.4kA/mの外部磁界に対して4%以上)を示すGIG (nano-Granular In Gap)膜を得ることである.GIG膜の磁気抵抗効果(MR)の磁界感度は,用いるナノグラニュラー膜のMR特性に大きく依存し,MR比の大きなナノグラニュラー膜を用いることによって,より大きな磁界感度を有するGIG膜が得られる.このことから,大きなMR比を示す金属一絶縁体系ナノグラニュラー膜を得るために,新組成系である,マットリックスがMg-Fからなる金属-フッ化物系ナノグラニュラー膜を作製し,そのTMR特性を検討した.その結果,(FeNi)-(Mg-F)系では,室温の800kA/mにおいて11.4%のMR比を示す膜が得られ,さらに(FeCo)-(Mg-F)系では,13.3%のMR比を示す膜が得られた.この値はこれまでに報告されている金属-絶縁体系ナノグラニュラー膜における最大値である.さらに,これらの金属-フッ化物系ナノグラニュラー膜をGIG膜に応用することによって,0.08-0.16kA/mの磁界で4%以上のMR比を示す極めて良好な磁界感度特性が得られ,目的であった0.4kA/mの外部磁界で4%以上のMR比を示すGIG膜が実現された. 本研究の成果は,論文等10件,口頭発表13件にまとめられ発表された.さらに8件の特許出願を行い,現在,具体的な形で新型磁界センサとしての実用化研究が進んでいる.
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