2000 Fiscal Year Annual Research Report
自己修復性防食機能を有する金属・酸化物ナノコンポジット薄膜の創製
Project/Area Number |
12750632
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
赤尾 昇 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (80222503)
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Keywords | 自己修復性防食機能 / ナノコンポジット薄膜 / イオンビームスパッタ蒸着法 / X線光電子分光法 / カップリング電流 / オージェ電子分光法 / 金属クラスター / その場測定用スクラッチ試験装置 |
Research Abstract |
1.IBSD法による酸化物・金属ナノコンポジット薄膜の作製 現有するイオンビームスパッタ蒸着装置を用いて酸化物・金属ナノコンポジット薄膜の作製を行った.酸化物にはAl_2O_3,金属にはNbを用いた.また,酸化物と金属の割合を種々変えた薄膜を作製した.作製したナノコンポジット薄膜の組成や構造はX線光電子分光法,オージェ電子分光法を用いて検討した. 2.自己修復性評価装置の作製 ナノコンポジット薄膜の自己修復性の評価を行うために,その場測定用スクラッチ試験装置を作製した.本装置は試料を溶液に浸漬した状態で規定した加重のスクラッチを試料表面に入れることができる.また,Au対極と試料の間のカップリング電流とカップリング電位を,ゼロシャント電流計と電位差計でそれぞれモニターできる機構を有している.一方,スクラッチ近傍の腐食形態の経時変化をその場観察するために,現有する顕微鏡に新たに購入したデジタルカメラを取りつけ,リアルタイムでモニターするように設置した.しかし,デジタルカメラで得られた画像のコンピュータによる画像処理をプログラムの開発は次年度の課題となっている. 3.ナノコンポジット薄膜の自己修復性の評価 スクラッチ試験装置を用いてNa_2SO_4およびNaCl溶液中でのAu対極と試料の間のカップリング電流とカップリング電位の経時変化を測定し,ナノコンポジット薄膜の自己修復性の評価を行った.スクラッチ入れ直後にナノコンポジット薄膜中の金属クラスター部分が溶液に曝されることにより,カップリング電流の増加が観察されるが,被膜の自己修復作用の進行に伴って電流が減衰すると考えられる挙動をした.また電位はスラッチ入れ直後に活性部分が露出するために卑な電位になるものの,金属クラスターの酸化によってスクラッチ入れ前の電位に回復した.なお,これらの挙動は薄膜組成に大きく依存し変化した.
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