2000 Fiscal Year Annual Research Report
酸化シリコン薄膜の室温CVDにおけるシラノール基脱水縮合促進法の開発
Project/Area Number |
12750637
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
井上 泰志 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (10252264)
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Keywords | プラズマCVD / 二酸化シリコン / 有機シリコン化合物 / 低温成膜 / その場測定 / 質量分析 / プラズマ発光分光 / 赤外吸収分光 |
Research Abstract |
本研究では,有機シリコン化合物を原料とした高周波プラズマCVDにおける,低い基板温度でSi-OH基どうしの脱水縮合反応を活性化させる手法を確立し,室温で高純度SiO_2薄膜を合成するプロセスを完成することを目的としている.本年度は,低い基板温度においてSi-OH基が生成するメカニズムを調査した. 【気相反応】 導入された有機シリコン分子のほとんどがプラズマによって解離し,Si,SiHx,SiO等の比較的低質量の分子が,Siを含む前駆体となることが明らかとなった.有機成分のC-H結合もかなりの割合で解離しているため,気相中は水素原子濃度が非常に高くなる.また,別に導入した酸素ガスは,原料の炭化水素成分の酸化に,気相において優先的に消費されることがわかった. 【表面反応】 成膜プロセス中,気相中のガス種がそれぞれの分圧に比例した流束で,膜表面に入射する.入射したガス種は,それが化学的に活性であれば,表面上の終端基と化学反応を起こす.本研究では,Si-OH基の生成メカニズムとして,(1)表面上Si-H終端の酸素ラジカルによる酸化,(2)表面上Si-O-ダングリングボンドへの水素原子の化学吸着,(3)表面上Si-メチル基終端の酸素ラジカルによる酸化,以上のような経路が存在することを明らかにした.赤外吸収分光分析により,生成したSi-OH基のほとんどは,隣接するものどうしで水素結合を形成していることがわかった.この水素結合を,加熱以外の方法でより強くさせることが,Si-OH基どうしの脱水縮合反応を活性化させることにつながると考えられる.
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Yasushi Inoue: "In-situ Surface Analysis of Infrared Reflection Absorption Spectroscopy in PECVD of Silicon-oxide Films"Thin Solid Films. (in press). (2001)
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[Publications] Kazuya Teshima: "Reduction of carbon impurities in silicon oxide films prepared by rf plasma-enhanced CVD"Thin Solid Films. (in press). (2001)
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[Publications] 井上泰志: "プラズマCVDにおける薄膜堆積過程"プラズマ・核融合学会誌. 76. 1068-1073 (2000)
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[Publications] Yasushi INOUE: "BEHAVIOR OF ORGANIC COMPONENTS IN LOW-TEMPERATURE SiO2 CVD USING ORGANOSILICON-OXYGEN PLASMAS"Proc.17th Symp.on Plasma Processing. 539-542 (2000)
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[Publications] Yasushi INOUE: "Surface Reactions in Low-temperature Plasma Deposition of Silicon-oxide Films"Proc.2nd Int.Conf.Processing Mater.for Properties. 277-280 (2000)