2000 Fiscal Year Annual Research Report
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12750638
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
平井 信充 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (50294020)
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Keywords | 原子間力顕微鏡 / 固液界面 / ナノ構造 / 表面拡散 / 金単結晶 / 硫酸水溶液 / 電気化学 / 表面モルフォロジー |
Research Abstract |
イオン性溶媒中における表面拡散は、電析による高品質薄膜形成や基板超平坦化などイオン性溶媒中材料創製プロセスにおいて主導的役割を果たしている。本研究の目的は、イオン性溶媒中金属電極表面上ナ構造の崩壊過程の電気化学AFMその場観察等を通じて、イオン性溶媒中における表面拡散に関する知見を得ることである。今年度は、硫酸水溶液中における金(100)面上及び金(111)面の多層アイランドの消失過程のEC-AFMその場観察を通じて、下記に述べることを明らかにした。 (1)アイランド最上層のテラスの原子数が時間に対して単調減少する、即ちテラスの大小に関係なくテラスの消失速度は一定であるという結果が得られ、表面拡散による本アイランドの消失過程について、ステップ離脱律速であるなど、そのメカニズムについて明らかにした。 (2)保持電位が貴であるほど、Au(100)面上でのテラスの消失速度が大きいことがわかった。また、大気中で測定されている結果と比較すると、硫酸中の方がテラスの消失速度が大きいことがわかった。これらについて硫酸水溶液中金属表面に存在する表面過剰電荷と電気二重層中の電界の影響と仮定して計算した値は実験値を良く再現した。 (3)Au(100)面上アイランド最上層のステップの方位は一部[001]方向も見られるが、主に[011]方向が支配的である。一方、Au(111)面の場合、アイランド最上層のステップの方位は[011]方向である。 (4)保持電位1.05Vにおける硫酸中Au(100)面上でのテラスの消失速度は、硫酸中Au(111)面上でのそれと比較して、約5倍程度大きい。この理由については面方位による零電荷電位の違いやステップからの原子の離脱しやすさの違いなどから説明できる。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Nobumitsu Hirai, Ken-ichi Watanabe,Akiko Shiraki,Shigeta Hara: "In-situ AFM Observation on the Decay of Small Islands On Au Single Crystal in Acid Solution."Journal of Vacuum Science & Technology B. 18・1. 7-9 (2000)
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[Publications] 平井信充,原茂太: "電位製御下における水溶液中固体金属の表面拡散"溶融塩及び高温化学. 43・1. 7-16 (2000)
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[Publications] Nobumitsu Hirai,Ken-ichi Watanabe,Shigeta hara: "Potential dependence of decay rate of multi-layered islands on Au(100)single crystal in sulfuric acid solution"Surface Science. (印刷中). (2001)