2000 Fiscal Year Annual Research Report
金属蒸着テープの劣化及び依頼性の電気化学的測定による評価
Project/Area Number |
12750646
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Research Institution | Oyama National College of Technology |
Principal Investigator |
武 成祥 小山工業高等専門学校, 物質工学科, 助教授 (20259815)
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Keywords | 金属蒸着テープ / 交流インピーダンス測定 / 硫酸溶液 / 塩化ナトリウム溶液 / 耐食性 |
Research Abstract |
1.NaCl水溶液中におけるHi8mmMET(金属蒸着テープ)のインピーダンス特性 NaCl水溶液中における金属層の耐食性を示す低周波数側のインピーダンスの経時変化をモニタリングした結果、約20時間の浸漬で、1.0wt%と3.0wt%のNaCl水溶液に浸漬したテープのインピーダンス値の変化はほとんど見られなかった。3.5wt%と10wt%の場合、インピーダンス値は浸漬時間が増加するにつれて減少した。したがって、NaCl水溶液の濃度が3.5wt%以上になるとテープの劣化が進みやすくなると考えられる。 2.H_2SO_4溶液中におけるHi8mmMETのインピーダンス特性 硫酸濃度が5×10^<-5>、5×10^<-6>Mの時、全周波数領域においてインピーダンス値はほとんど変化しなかった。5×10^<-4>Mの時は低周波数領域において、初期にインピーダンスが減少したが、その後時間の経過とともに増加した。金属層の面積の減少がインピーダンスの増加に影響していると考えられる。Hi8mmMETバックサイドのインピーダンス特性の経時変化はどの濃度においてもほとんど見られなかった。溶液の濃度が高くなるにつれ、フィルムの抵抗を表すインピーダンス値が小さくなったことから、フィルムの浸透性は溶液中のイオン濃度に関連していると思われる。 3.H_2SO_4溶液中におけるDVC(デジタルビデオカセット)のインピーダンス特性 硫酸濃度が5×10^<-5>、5×10^<-6>Mである場合、インピーダンス特性の経時変化が見られなかった。5×10^<-4>Mでは、Hi8mmMETと同様にインピーダンス値は減少してから増加した。Hi8mmMETと比べ、全体的にインピーダンス値が約1桁大きかったことより、DVCの耐食性がHi8mmMETより高いことがわかる。硫酸濃度が5×10^<-4>Mである場合のDVCバックサイドのインピーダンス特性の経時変化を測定した結果、24時間の浸漬でインピーダンス特性に変化は見られなかった。バックサイドにおいてもインピーダンス値がHi8mmMETより約1桁大きい。また、Hi8mmMETで見られる直線部が見られないことから、水やイオンのフィルム内への拡散が起きていないことが分かった。 以上の研究成果は平成13年10月に韓国で開かれる国際会議(APCCC)で発表する予定である。
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