2001 Fiscal Year Annual Research Report
溶融塩電気化学プロセスを用いた新規なシランガス生成法
Project/Area Number |
12750650
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
野平 俊之 京都大学, エネルギー科学研究科, 助手 (00303876)
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Keywords | 電気化学プロセス / 溶融塩 / シラン / シリコン / 電解形成 / ハイドライドイオン / フロロシラン |
Research Abstract |
平成13年度は、浴中へのF^-イオンの添加の影響を系統的に調べ、SiH_4生成のメカニズムを明らかにすることを目的とした。まず、昨年度の結果から、発生したSiF_4が浴中のH^-イオンと反応することでSiH_4が生成するメカニズムが示唆されたため、実際に浴中にSiF_4をバブリングしてみた。生成したガスを赤外吸収分光法により分析した結果、SiH_4の生成を確認した。これにより、SiF_4からSiH_4への変換が確認された。ただし、未反応のSiF_4の存在も確認されたため、変換反応速度はあまり大きくないと考えられる。次に、金属級シリコンを電極として、電解時間を数分から30分まで変化させ、その際の電流の経時変化を測定した。LiCl-KCl-LiF中においては連続的なSiF_4発生が可能であり、シリコン電極は全面溶解することが分かった。一方、LiCl-KCl-LiF-LiH中においては、5分程度で電極が不働態化するために連続的なSiH_4発生は難しいことが分かった。ここで、不働態化した試料表面をXPSにより分析したところ、酸素と塩素が存在することが示された。以上の結果より、不働態膜は、浴中に不純物として存在する酸素が原因であることが示唆された。すなわち、予備電解等により、溶融塩中の水分を十分に除去すれば、不働態化が防げると思われる。短時間でのSiH_4発生の電流効率は、最高で約30%と見積もられた。電流効率を下げている要因は、H^-イオンからの水素ガス発生であることが分かったので、今後、H^-イオンが電極表面に到達しないように電極配置を工夫すれば、電流効率が向上することが推定される。
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Research Products
(1 results)