2000 Fiscal Year Annual Research Report
分割型有限要素法を用いた粘弾性流体流動解析手法の実験的検証
Project/Area Number |
12750661
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
岩田 修一 名古屋工業大学, 工学部, 助手 (00293738)
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Keywords | 粘弾性流体 / 分割型有限要素法 / ダイスウェル / Giesekusモデル / 高ワイゼンベルグ数 |
Research Abstract |
今年度は、実験装置組立とデータ採取が目的であるため、研究成果を発表する段階には至っていない。実験は、測定試料の調製および水溶液物性の測定、ダイスウェル流動における自由表面形状の測定からなるが、現在、実験手法の確立を検討している段階である。以下に進捗状況を記す。 (1)実験試料として低濃度でも顕著な粘弾性挙動を示すポリアクリル酸ナトリウム水溶液とポリアクリルアミド水溶液を用いた。今後、ポリエチレンオキサイド水溶液も使用する予定である。ポリマー物性(せん断粘度特性、法線応力差)の測定は、名古屋工業大学セラミックス研究施設のレオロジー社製MR-500を用いて測定した。ここで得られた測定結果とGiesekusモデルによる解析結果との差を最小化するようにSimplex法を用いてモデルパラメタ(η0、λ、α、s)を探索した。 (2)流動実験の概略は以下の通りである。温度調整用のジャケットとコイルを内蔵した圧力容器底面に直径1mmのガラス製ノズルを取付け、そこから測定試料を押出し、電子天秤(購入)上の液だめまで流下させる。ここで、ガラスノズル製作加工の良否はスウェル形状に大きく影響を与えるため、この加工には相当な注意を払う必要がある。次に、流体の自由表面形状を実体顕微鏡にデジタルカメラを設置した装置(Nikon社製、購入)により横方向より撮影した。実験終了後、画像解析ソフトウェア(Adobe社製Photoshop、購入)を用いて画像データより自由表面形状を決定した。 (3)数値解析に関しては、その収束性を改善する手法の開発成果を裏面に示す雑誌へ報告した。また,前項(1)で得られたモデルパラメタを用いた計算を行い、We=150(We≡λ<w>/R;ダイ内平均流速<w>、緩和時間λ、ダイ内半径R)まで収束解が得られた。そこで、液面形状の比較による実験結果と計算結果との比較検討に着手した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 岩田修一,新垣勉,森秀樹 他: "分割型有限要素法による粘弾性流体のダイスウェル流動解析"成形加工. 10(10). 824-831 (1998)
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[Publications] 岩田修一,新垣勉,森秀樹 他: "分割法による粘弾性流体ダイスウェル流動の高ワイゼンベルグ数領域における有限要素解析"成形加工. 12(2). 115-121 (2000)
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[Publications] 岩田修一,新垣勉,森秀樹 他: "付加粘性の概念を用いた分割型有限要素法による粘弾性流動解析"成形加工. 12(8). 523-529 (2000)