2000 Fiscal Year Annual Research Report
円錘型テイラー・クエット流の流動・混合現象の解明と新型化学反応装置への応用
Project/Area Number |
12750663
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
大村 直人 神戸大学, 工学部, 助教授 (50223954)
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Keywords | テイラー・クエット流 / テイラー過流 / 反応装置 / 非線形現象 / 分岐現象 / ウエーブレット解析 / 流れの可視化法 / 数値シミュレーション |
Research Abstract |
本研究では、円錐型のテイラー・クエット流の渦流状態において、大域循環流の効果で渦セルが自発的に軸方向に移動することに着目して、この流れ系の混合特性が低剪断でマイルドであり、かつ大域的な混合も良いという予測をたてた。この予測に基づき、この流れ系の有する複雑な流動状態を精密に制御することにより、今までにない新規な反応装置への展開を目指し、以下の項目について調べることを目的とする。 1)数値計算法、流れの可視化法、流速測定法を用いて詳細に流動特性を調べる。 2)蛍光染料を用いた可視化法による濃度変位測定等により混合・反応特性を調べる。 今年度は1)の流動特性について、詳細に調べた。その結果、最終的に得られる流動状態は回転レイノルズ数と所定のレイノルズ数に到るまでの操作履歴に大きく依存することがわかった。観察される流動モードは渦数の異なる数種のテイラー渦流モード、渦が自発的に軸方向に移動する渦移動モード、渦が螺旋構造をとるスパイラルモードに大別される。これらの流動モードの出現マップをレイノルズ数と所定のレイノルズ数に到るまでの内円錐の回転加速度をパラメータとして作成した。また、数値計算を用いてそれぞれの流動モードの発生メカニズムについても検討を行った。さらに、ウエーブレット変換により得られる相関パターンから情報エントロピーと対数期待値を算出し、流速変動などの時系列データの複雑性と間欠性を評価する手法を提案した。来年度の混合特性の調査に向けて、蛍光染料による可視化実験法と混合評価法の確立も検討した。その結果、可視化法については蛍光染料にフルオレセインナトリウムを用いて、中和反応を利用することで非混合領域の詳細な構造が可視化できることがわかった。また、トレーサー粒子により形成されるポアンカレ断面の粒子跡分布の情報エントロピーを算出することにより混合度を評価できることがわかった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] N.Ohmura: "Wavelet Aalysis of the Transition to Chaotic Wavy Vortex Flow in a Taylorr-Couette Flow System"Proceedings of 3^<rd> International Symposium on Turbulence,Heat and Mass Transfer. 283-290 (2000)
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[Publications] S.Kishimoto: "A New Estimation Method of Turbulent Flow Structures Effective for Impingement Heat Transfer Augmentation"Proceeding of 1^<st> Joint China/Japan Chemical Engineering Symposium. Vol.2. 504-509 (2000)
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[Publications] T.Takigawa: "Mixing-Effective Motion of High Viscosity Fluid Around a Rotating Elliptic Cylinder."Journal of Chemical Engineering of Japan. 33(3). 420-426 (2000)
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[Publications] T,Takigawa: "Information Complexity of Laminar Chaotic Mixing Field Produced by Two Parallel, Rotating Cylinders"Forma. 15(3). 273-280 (2000)
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[Publications] T.Makino: "Laser-Optical Observation of Chaotic Mixing Structure in a Stirred Vessel"Proceedings of 10^<th> International Symposium on Applications of Laser Techniques to Fluid Mechanics. (CD-ROM). (2000)
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[Publications] T.Makino: "Observation of Isolated Mixing Regions in a Stirred Vessel"Journal of Chemical Engineering of Japan. (掲載決定).