2000 Fiscal Year Annual Research Report
直接熱交換型アルミー吸着剤積層ブロックによる除湿冷房プロセスの性能改善
Project/Area Number |
12750670
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
児玉 昭雄 熊本大学, 工学部, 助手 (30274690)
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Keywords | 吸着 / 吸着熱 / 除湿 / デシカント / 冷房 / 熱交換 / シクカゲル / ハニカム |
Research Abstract |
1)除湿ブロックの性能評価(再生温度80℃,吸着/熱交換側給気流速Up=0.5m/s,Uc=0.5m/s) 除湿ブロックを試作し、その吸着挙動と冷却過程の導入効果を空気線図上で解析した。まず、熱交換操作を行わない場合(断熱)、吸着出口空気状態は再生空気と等しい相対湿度線に沿って変化し、吸着開始後500秒で最低湿度を示す。その後、原料空気と等しいエンタルピー線に漸近しながら原料空気状態に近づく。ここで吸着熱は水の蒸発潜熱とほぼ等しいので等エンタルピーからのずれは除湿ブロック自体の熱容量による顕熱の持ち込みである。一方、熱交換操作を同時に行った場合、吸着出口空気状態は吸着初期には上述と同様に再生空気の等相対湿度線に沿って変化する。しかしながら、空気温度の低下すなわち除湿ブロックの冷却は早く進行し、吸着開始から300秒後には原料空気のエンタルピーを下回り、吸着熱除去効果が現れる400-1000秒では等温除湿操作で得られる下限界付近の最低湿度を示す。そして吸着帯が吸着出口へ到達した後は等温状態で原料空気に近づく。次に吸着開始前に500秒の冷却過程(熱交換側のみに外気を供給)を導入した場合、吸着開始の時点で除湿ブロックは約40℃にまで冷却されており、吸着開始から200秒後には最低湿度に到達する。 2)冷房プロセスへの応用 2個の除湿ブロックを用いた連続吸脱着操作(再生温度80℃)について半サイクル時間の影響を検討した。湿度8g/kgという比較的低い外気条件における吸着出口湿度の平均値はそれぞれ1.5g/kg[tc=600s],1.2g/kg[1200s],2.3g/kg[3000s]であった。最低湿度に着目した場合、より再生が十分となる長い半サイクル時間が有利ではあるが吸着過程の途中で吸着破過を生じる。一方で半サイクル時間が短い場合は吸着開始直後に得られる高湿度空気の寄与が相対的に大きくなり平均湿度を押し上げる。よってこの空気・操作条件ではtc=1200sのときに出口湿度の平均値は最低となるが、連続的に低湿度空気を供給するためには上述の冷却過程の導入、あるいは複数の除湿ブロックを用いた新たな流路構成について検討が必要である。
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