2001 Fiscal Year Annual Research Report
光を用いた気相汚染物質の分解と分解生成物のガス/粒子分離捕集分析
Project/Area Number |
12750673
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
関口 和彦 埼玉大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (50312921)
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Keywords | ガス / 粒子分別 / 熱脱離分析 / 標準ガス / 粒子発生 / 吸着剤 / デニューダー |
Research Abstract |
実施した研究概要 昨年度までの短波長紫外光を用いた有機汚染物質分解におけるガス/粒子分解生成物の詳細分析を目指し、新たに開発した吸着/熱脱離式吸着剤塗布デニューダーの性能評価を行い、適用可能性について検討を行った。 得られた成果 まず、吸着/熱脱離式吸着剤塗布デニューダー評価のためのモデルガス/粒子物質として、多環芳香族炭化水素であるフェナントレンを選択し、恒温式拡散ガス発生装置により、流量0.5L/minで数百ppbから数ppmの安定ガス発生を得た。この発生ガス内に、スパッタリングにより発生させた銅粒子(粒径40-50nm)を核として導入し、核粒子上にフェナントレンガスを凝縮させることにより、ガス/粒子分布を持つ標準気体を調製した。吸着/熱脱離式吸着剤塗布デニューダーは、ステンレス製の円筒管に内壁にスリの入ったガラス管を装着した形状のものを新たに作製し、購入したセラミック管状炉にて熱脱離できるシステムとした。吸着剤には、水分干渉に強いTenax系吸着剤を用い、内管内壁のスリに物理的に塗布、または、金網を用い吸着剤を覆う形で内管内壁に固定化した。フェナントレン標準ガス発生実験の際に、別途Tenax系吸着剤を用い、捕集・熱脱離分析を行った結果、原理的には捕集・熱脱離分析が可能(回収率100%)であることが示唆されていたが、吸着剤塗布デニューダーを用いた際、粒子の通過効率は十分な結果であったが、ガスの吸着能力が低く、現時点では実用化に至らなかった。ただし、ガス分析の際には、熱脱離分析を達成しており、粒子透過効率も十分であることから、ガス吸着能力(吸着剤の固定化方法)を改善できれば、十分、有機性ガスのガス/粒子分別捕集が可能になるものと期待される。これが達成されれば、原理的には、十分一般大気への適用も可能であり、新規のガス/粒子分別捕集分析技術となり得る。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Sekiguchi, K., et al.: "Degradation and Water-Solubilization of VOCs by Photochemical Particle Conversion and Photocatalytic Reaction under UV Irradiation"Abstracts of the 2nd Asian Aerosol Conference. 261-262 (2001)
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[Publications] 福沢志保, 関口和彦 他: "組成的変化からみたガス-粒子転換反応の利用可能性"第18回エアロゾル科学・技術研究討論会講演要旨集. 152-153 (2001)
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[Publications] 関口和彦 他: "O_3生成能を有する短波長紫外光照射下でのVOCの分解-分解時生成粒子の生成傾向と評価-"第19回空気清浄とコンタミネーションコントロール研究大会予稿集. 242-244 (2001)
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[Publications] 坂本和彦, 関口和彦: "光触媒による有機物の完全酸化"クリーンテクノロジー. 11・1. 37-41 (2001)