2000 Fiscal Year Annual Research Report
二酸化炭素を酸化剤とする低級アルカンの酸化脱水素反応の触媒開発
Project/Area Number |
12750684
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
王 野 広島大学, 工学部, 助手 (40292304)
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Keywords | 低級アルカン / 酸化脱水素 / MCM-41担持金属イオン / 二酸化炭素 / プロパン / プロピレン / Cr-MCM-41触媒 |
Research Abstract |
本年度では、主に各種金属イオンを担持したMCM-41の合成とキャラクタリゼーションを行い、これらを触媒とするプロパンの酸化脱水素反応を実施した。 高い酸化還元能を持つV,Fe,Crなどの酸化物と選択性制御に有効な塩基性酸化物との複合酸化物は、二酸化炭素による低級アルカンの酸化脱水素反応に高い触媒性能を示すと期待されている。しかし、これらの複合酸化物は、表面積が低いため、予想される触媒効果を示さなかった。プロパンからのプロピレン生成の選択性が高いものの、プロパン転化率は、600℃でも5%以下であった。そこで、本研究では、反応活性を向上させる目的として、まず、V,FeとCrを高い比表面積を持つ担体上に分散させることにした。メソポーラスシリカであるMCM-41は、均一なメソ孔と高い比表面積を有しており、触媒担体として有望と思われる。本研究では、水熱合成法でMCM-41を合成した。また、MCM-41への金属イオンの担持方法には、テンプレートイオン交換法と直接水熱合成法をそれぞれ用いた。 XRD,窒素吸着,UV-vis,ESRなどの手法により、合成した触媒中の金属イオンは、テンプレートイオン交換法では主にMCM-41の細孔表面に、一方直接水熱合成法では主にそれの骨格中に分散していることが明らかになった。 プロパン酸化脱水素反応におけるMCM-41担持触媒の活性について調べた。Cr-MCM-41を用いた場合、プロパンの脱水素反応は500℃付近で進行し、二酸化炭素の共存による促進効果は明らかであった。酸素を用いた場合に比べ、二酸化炭素を酸化剤とすると、プロピレンの選択率が著しく高くなった。今後、この触媒上での反応の詳細を明らかにするとともに、他の触媒系についても反応を実施し、また、塩基性成分も同時にMCM-41に導入し、その効果について検討する。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Q.Zhang,: "V-MCM-41 for selective oxidation of propane to propene and acrolein"Chemistry Letters. No.3. 194-195 (2001)
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[Publications] Y.Wang,: "Synthesis of V-MCM-41 by template-ion exchange method and its catalytic properties in propane oxidative dehydrogenation"Catalysis Letters. (in press). (2001)