2000 Fiscal Year Annual Research Report
単一分子ナノ構造体デンドリマーを利用した新規分子状金属錯体の高機能触媒化
Project/Area Number |
12750691
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
水垣 共雄 大阪大学, 基礎工学研究科, 助手 (50314406)
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Keywords | ポリアミンデンドリマー / パラジウム / デンドリマー固体化Pd(0)錯体 / アリル置換反応 / ナノリアクター / Rhクラスターアニオン / 単分子逆ミセル / ニトロベンゼン |
Research Abstract |
1、デンドリマーの表面官能基を利用した固定化Pd錯体触媒の開発 末端の官能基化が比較的容易なポリアミンデンドリマーを用いて、末端基へのホスフィン配位子の導入とPd(II)錯体の固定化を行い、さらにヒドラジン還元により新規なデンドリマー固定化Pd(0)錯体を調製した。キャラクタリゼーションにはNMR、XPS、IRを用い、固定化したPd錯体の価数、構造を確認した。また、本デンドリマー固定化Pd(0)錯体が、アリル置換反応の高活性な触媒となることを見出した。デンドリマー世代数の増加に伴い生成物の立体選択性が向上する。表面活性点部位のNMRによる緩和時間測定から、デンドリマー表面の立体的な込み合いを確認し、本触媒による立体選択性の発現が求核試薬の攻撃経路が外部攻撃のみに制限されたためであることを明らかにした 2.デンドリマー内部空間を利用した固定化クラスター触媒の開発 本研究では、デンドリマーのナノリアクター化を目的とし、ポリアミンデンドリマーの末端をアルキル鎖で修飾し、約6nmのサイズの単分子逆ミセルデンドリマーを合成した。また、デンドリマー内部の3級アミノ基を利用して、COと水の存在下、Rhクラスターアニオン錯体[Rh_5(CO)_<15>]^-をデンドリマー内部に選択的に固定化することに成功した。本デンドリマー固定化触媒は、水を水素源とするニトロベンゼンの還元反応に、低分子アミンを添加剤とする従来の系に比べて、非常に少ないアミン量で高い触媒活性を示す、デンドリマーのカプセル化による反応場の濃縮効果を見出した。NMRより、デンドリマーの凝集状態を確認し、本デンドリマーが活性種であるRhクラスターアニオン、アミノ基を内包した単分子ナノリアクターとして作用することを明らかにした。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Kohsuke Mori: "Catalysis of a hydroxyapatite-bound Ru complex : efficient heterogeneous oxidation of primary amines to nitriles in the presence of molecularoxygen"Chemical Communications. 461-462 (2001)
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[Publications] Kazuya Yamaguchi: "Creation of a monomeric Ru species on the surface of hydroxyapatite as an efficient heterogeneous catalyst for aerobic alcohol oxidation"Journal of the American Chemical Society. 122・29. 7144-7145 (2000)
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[Publications] Kiyotomi Kaneda: "Catalyst design of hydrotalcite compounds for efficient oxidations"Catalysis Surveys from Japan. 4. 31-38 (2000)
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[Publications] Tomoo Mizugaki: "Novel catalytic functions of dendrimer-bound Pd complexes"Catalysts & Catalysis. 42・6. 451-453 (2000)