2000 Fiscal Year Annual Research Report
ペプチドライブラリーを用いた選択された分子の連結による強力な阻害剤の作成
Project/Area Number |
12750702
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
春木 満 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (30273593)
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Keywords | ペプチドライブラリー / 酵素阻害剤 / ハイブリッド分子 |
Research Abstract |
当該研究は、標的酵素に対しターゲティングと阻害のそれぞれの性質をもつ分子を連結することにより強力な阻害剤を開発することを目的とする。すでに、RNase HIに特異的に強く結合するが、RNase H阻害活性をほとんど示さない環状ペプチド(C7mer)を得ている。一本鎖DNAはRNase HIに対して弱い競合阻害活性を示すので、今年度はC7merと36merDNAを連結することにより、強力なハイブリッド阻害剤を作成することを目指した。ハイブリッドの作成には5'末端をチオール化した36merDNAを用い、チオール基とC7merのN末端アミノ基とを、EMCSを介して連結した。連結の効率は約10%であった。このハイブリッド分子を用いてRNase H阻害活性を解析したところ、C7mer単独の場合に比べて阻害活性に変化は見られなかった。その原因としては、ハイブリッド分子がRNase HIに結合した際に、36merDNAが酵素の基質結合部位とは反対方向に配向していることが考えられる。そこで、EMCSに比べてより長いリンカー分子を使用すれば、DNAを基質結合部位へ結合させることが可能になると考えており、現在ハイブリッド分子の改良を行っている。また、基質に対して弱いながらも競合阻害するペプチドも得られているので、このペプチドとC7merとのハイブリッド分子の作成も進めており、RNase H阻害活性を解析する予定である。
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