2000 Fiscal Year Annual Research Report
メソポーラスシリカ修飾電極における細孔内電気化学過程の解明と電極触媒系への応用
Project/Area Number |
12750736
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
中山 雅晴 山口大学, 工学部, 助手 (70274181)
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Keywords | メソポーラスシリカ / 修飾電極 / 電気泳動析出 / ビピリジン錯体 |
Research Abstract |
ナノサイズの均一な細孔からなるメソポーラスシリカMCM-41をバインダーを含むテトラヒドロフラン溶液中に分散した後、キャストすることによって基板電極上にMCM-41粒子層を構築した。得られた修飾電極を支持電解質としてNa_2SO_4を含むカチオン性のFe(II)ビピリジン錯体およびRu(II)ビピリジン錯体、あるいはアニオン性のFe(III)へキサシアノ錯体溶液に浸漬し、電流応答を調べたところ、アニオン性錯体の応答は未修飾の場合に比べて著しく抑制されたのに対し、カチオン性錯体の応答は増大した。これは、負電荷をもつMCM-41の細孔内にカチオン性錯体が濃縮され、基板電極に到達したことによる。 さらに、MCM-41を電極上に修飾する方法として電気泳動析出法を適用した。この方法で得られた粒子層は上述のものに比べて均一で密な構造をもつことがSEM観察により明らかになった。また、MCM-41の結晶構造が泳動析出の前後で変化しないことがX線回折法により確認された。電気泳動析出法により作製したMCM-41修飾電極におけるRu(II)ビピリジン錯体の電流応答はキャスト法により得られた電極のそれよりもさらに増大した。これは電気泳動法により析出した粒子層が密で電極に直接密着していることにより、細孔に吸着した錯イオンのより大きなフラクションが基板電極表面での電子授受反応に寄与したためであることが分かった。
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