2000 Fiscal Year Annual Research Report
ワンポット多段階反応を利用した非天然型芳香族アミノ酸の合成
Project/Area Number |
12750752
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Research Institution | Okayama University of Science |
Principal Investigator |
折田 明浩 岡山理科大学, 工学部, 講師 (30262033)
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Keywords | アミノ酸 / ビルディングブロック / スルホン / 芳香環 / 保護 / 脱保護 |
Research Abstract |
天然には存在しない型のアミノ酸を簡便にかつ大量に合成する方法が開拓できれば、アミノ酸を利用した材料化学や医薬開発の分野に新たな展開が拓けることが期待される。 今年度は入手が容易な天然型アミノ酸を原料とするビルディングブロックの合成を検討した。我々のグループはこれまでにスルホンを出発原料として簡便な実験操作で芳香族化合物を合成することに成功している。したがって、天然型アミノ酸を原料に用いてスルホン部分を有するビルディングブロックを調製、続いてこのブロックから芳香環を合成すれば、これまでに知られていないアミノ酸が容易に入手できると考えた。 アミノ酸はアミノ基とカルボン酸を近くに持っている。そのため、アミノ基およびカルボン酸の両方を同時に保護し不活性化する必要がある。ところがこれら2つの官能基のいずれか一方を保護し不活性化する手法は知られているものの、2つの官能基をを同時に両方とも保護する簡便な方法はこれまでに知られていない。そこでアミノ酸のアミノ基およびカルボン酸を簡便な手法で同時に不活性化し、反応後には容易に脱保護が可能な保護基の開発を行った。まず、2つの官能基に対してそれぞれ古くから知られている保護を色々な組み合わせで行った。しかし、当初目的とした堅牢かつ簡便な保護・脱保護操作を満足する組み合わせは今までに見つかっていない。すなわち、これまでに報告されている手法を用いたアミノ酸の保護では、芳香環を導入する反応条件では不安定であった。一方、過酷な反応条件にも充分な安定性を持つ保護基を利用した場合には、脱保護の際に厳しい反応条件が必要となるなど、デメリットも多い。そこで、全く新しい観点に立ち、これまでにない新しいアミノ酸の保護方法やアミノ酸の等価体の合成を行うことにした。現在も引き続き、新たな保護基の開発およびアミノ酸等価体の開発を行っている。
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