2000 Fiscal Year Annual Research Report
置換アセチレンとラクトンまたはエポキシドとのブロックおよびグラフト共重合体の合成
Project/Area Number |
12750780
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
三隅 良彦 京都大学, 工学研究科, 助手 (10273476)
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Keywords | 配位重合 / ロジウム触媒 / フェニルアセチレン / ラクトン / ブロック共重合 / 末端官能性 / リビング重合 |
Research Abstract |
我々はノルボルナジエンロジウム塩化物二量体/トリフェニルビニルリチウム/トリフェニルホスフィン三成分触媒によりフェニルアセチレンがリビング重合し、そのとき開始末端にトリフェニルビニル基が定量的に導入されることを見いだしている。本研究ではフェノール性水酸基をポリマー末端に導入するため、まず、tert-ブチルジメチルシロキシ基を有するトリフェニルビニルリチウムを合成し、これを触媒第二成分としてフェニルアセチレンのリビング重合を行った。得られたポリマーは開始末端に定量的にシロキシ基を含有することが^1H NMRスペクトルにより確認された。このポリマーをテトラブチルアンモニウムフッ化物により処理することによって脱保護を行い、tert-ブチルジメチルシロキシ基を水酸基に変換することが出来た。これは置換アセチレンの立体規則性リビング重合において末端修飾を行った最初の例である。ついで水酸基をテトラヒドロフラン中で水素化ナトリウムによりナトリウム塩とした上でβ-プロピオラクトンと反応させた。クラウンエーテルなどの適当な触媒の存在下で、水酸基を開始点とするプロピオラクトンの重合が進行した。この結果、フェニルアセチレンとβ-プロピオラクトンとのブロック共重合体が得られた。これはフェニルアセチレン類と置換アセチレン以外のモノマーとのブロック共重合の例として最初のものであり、その物性、機能について興味が持たれる。
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