2000 Fiscal Year Annual Research Report
時間分解赤外差分光法によるペルオキシダーゼ活性中間体生成のダイナミクスの解析
Project/Area Number |
12750795
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
前田 寧 福井大学, 工学部, 助教授 (60242484)
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Keywords | ペルオキシダーゼ / 赤外分光法 / ヘムタンパク質 / ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド) / ジメチルスルホキシド / 水素結合 / 水溶液 / ポリペプチド |
Research Abstract |
西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)の水/DMSO混合溶媒中での構造を赤外分光法で解析し、活性との相関を検討した。活性は、DMSO20%程度でかなり減少し70%以上ではほとんど消失する。アミドIバンドで解析した二次構造変化はDMSO60%程度までは徐々に起こり、α-ヘリックスが徐々に減少した。これ以上の濃度では大きな変化が見られ、変性したペプチド鎖のアミド基同士の強い水素結合の形成を示すIRバンドが1616と1684cm^<-1>に表れ、会合体を形成していることが示唆された。[Ru(bpy)_3]^<2+>、[Co(NH_3)_5Cl]^<2+>を用いてHRPを光化学的に酸化し、休止状態から活性中間体であるcompound Iにいたる過程でのIRスペクトルの変化を測定したところ、DMSO濃度が20%の場合には活性化に伴う構造変化は、水中で測定した場合とほとんど変わらないことが分かった。 また、温度応答性高分子として知られるポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)(PiPA)にHRPの軸配位子であるヒスチジンと同様なヘム配位能を持つビニルイミダゾール(VIm)、4-ビニルピリジン(VPy)を導入した共重合体を合成し、ヘムと複合体を形成させることによって温度でペルオキシダーゼ活性を制御できる触媒を調製した。この複合体は相転移温度付近で活性が不連続に変化した。さらに、タンパク質の熱変性のモデル系としてPiPA部分の相転移に伴うヘムとVIm、VPyとの相互作用の変化を解析した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Maeda,Yasushi: "Change in Hydration State during the Coil-Globule Transition of Aqueous Solutions of Poly (N-isopropylacrylamide) as Evidenced by FTIR Spectroscopy."Langmuir. 16. 7503-7509 (2000)
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[Publications] Maeda,Yasushi: "Change in the Hydration State of Poly (N-alkylacrylamide) s during the Phase Transition in Aqueous Solutions Observed by FTIR Spectroscopy."Macromolecules. 34. 1391-1399 (2001)
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[Publications] Maeda,Yasushi: "IR Spectroscopic study on the Hydration and the Phase Transition of Poly (vinyl methyl ether) in Water"Langmuir. 17. 7503-7509 (2001)