2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12750805
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Research Institution | The High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
鳥飼 直也 高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 助手 (70300671)
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Keywords | 二成分三元ブロック共重合体 / 交互ラメラ構造 / 薄膜 / 相分離界面 / 中性子反射率測定 / 表面構造 / 構造配向性 / コンフォメーション |
Research Abstract |
これまでポリ(スチレン-d_8)(D)とポリ(2-ビニルピリジン)(P)から成るPDP二成分三元ブロツク共重合体についてミクロ相分離界面の構造を中性子反射率(NR)測定により調べてきたが,中央Dブロック鎖の体積分率Φ_Dの違いによって,薄膜中で形成される交互ラメラ構造の膜表面に対する配向性が異なることが判ってきた.そこで,平成13年度は、PDP三元ブロック共重合体と構成成分は同じだが分子中のブロック鎖の配列が異なるDPD三元ブロック共重合体を合成し,それらが薄膜中で形成するミクロ相分離構造(交互ラメラ構造)をNR測定を用いて詳細に調べた.その結果,中央Pブロック鎖が"ループ"型のコンフォメーションを取り易いΦ_D=0.42のDPD三元ブロツク共重合体については、ラメラ構造が薄膜の膜表面に対し平行な方向に優先的に配向し,モデルフィッティングによる鏡面反射率プロファイルの解析から相分離界面の厚みは約3.2nmと見積もられ,同じ構成成分から成るDP二元,PDP三元ブロック共重合体と分子構造の違いに依らず同程度の界面厚みを有することが判った.一方,中央Pブロック鎖が"ブリッジ"型リッチのコンフォメーションを示すΦ_D=0.67のDPD三元ブロック共重合体については,得られた鏡面反射率プロファイルは単純な層構造を仮定したモデルでは良い解析結果が得られなかった.これはPDP三元ブロック共重合体の場合とは異なり,ラメラ構造の膜面に平行な方向の配向性が低いのではなく,寧ろ薄膜の表面に大きなisland(or hole)構造が形成されたためと考えている.現在,このような薄膜の厚みとラメラ構造の配向性,あるいは表面構造の形成との関係を明らかにするために,PDP, DPD三元ブロック共重合体について同じ試料で厚みが異なる薄膜を幾つも調製し,それらが示す複雑な相分離構造の解析を進めている.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] N.Torikai, et al.: "Comparison between Interfacial Structures of a Block Copolymer and Two-Component Homopolymers by Neutron Reflectivity Measurement"J. Phys. Soc. Jpn.. 70. Suppl.A344-Suppl.A346 (2001)
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[Publications] N.Torikai, et al.: "Instrumental design and performance of a new pulsed-neutron reflectometer (ARISA) at KENS for studying free surfaces"Appl. Phys. A. 74(in press). (2002)