2000 Fiscal Year Annual Research Report
超小形人工衛星・惑星探査機用マイクロスラスタに関する研究
Project/Area Number |
12750808
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
田中 秀治 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (00312611)
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Keywords | マイクロスラスタ / 固体燃料 / ロケットアレイ / マイクロ宇宙船 / フィードスルー配線 / マイクロヒータ |
Research Abstract |
本研究の目的は、1-10kg級の超小形宇宙船用マイクロスラスタの地上試験機を開発することである。研究期間の初年度である本年度は、まず、マイクロスラスタの仕様を宇宙科学研究所と共同で検討した。その結果、宇宙科学研究所での将来の超小形宇宙船によるミッションを想定した場合、1-10mNsのインパルススラストを発生する固体燃料ロケットを、1チップ上に10000個以上、高密度に配置した「固体燃料ロケットアレイスラスタ」が、有望であると結論した。現在、試作機を製作している。また、試作と並行して、宇宙科学研究所と共同で燃料の燃焼試験をしている。その結果、NABを燃料の第1候補に選択した。 試作機は、マイクロマシニングで加工された3層構造を有するが、第1層には、ダイヤフラム上に形成された点火用マイクロヒータとノズルとが、第2層には、固体燃料とフィードスルー配線とが、第3層には、回路への接続端子がある。固体燃料は直径0.8mmであり、1mmピッチで10×10=100個配置される。このスラスタの重要開発項目の1つは、固体燃料ロケットアレイの高密度化であるが、そのためのキーテクノロジが、点火用マイクロヒータのフィードスルー配線である。我々の構造では、点火用マイクロヒータの配線は、燃料シリンダの内壁を通って、チップの面に取り出される。これによって、チップの面積を最小限にできるだけではなく、ダイヤフラム直近に細い配線を通す 必要がなくなるので、断線の可能性を減らしたり、配線の電気抵抗を小さくしたりできる。さらに、配線端子をチップの裏面に取り出せるので、フリップチップボンディング等によって容易に回路と接合できる上、チップの後ろに回路を配して、回路を宇宙船被曝から保護できる。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Shuji Tanaka: "Power Microelectromechanical System Technologies for Space Applications"The International Conference on Integrated Nano/Microtechnology for Space and Biomedical Applications. (2001年3月発表予定). (2001)
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[Publications] 細川隆一郎: "マイクロ宇宙船のための固体燃料ロケットアレイスラスタ"第18回「センサ・マイクロマシンと応用システム」シンポジウム. (2001年5月発表予定). (2001)