2001 Fiscal Year Annual Research Report
低周波動揺に対する座位人体の応答モデルの構築に関する基礎的研究
Project/Area Number |
12750819
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
有馬 正和 大阪府立大学, 大学院・工学研究科, 講師 (70264801)
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Keywords | 人体応答モデル / 低周波動揺 / 車いす / ユーザビリティ / バリアフリー / 重心動揺計 / 動揺環境 / 力学的モデリング |
Research Abstract |
旅客船に代表される動揺環境における車いすのユーザビリティ(使用性能)を正確に予測・評価するためには,「動揺環境⇒車いす⇔座位人体」系の力学的モデルを構築する必要がある。このとき,人体を完全な剛体として扱うことはできないので,低周波動揺に対する座位人体の動力学的な応答を実験によって計測,解析した。本研究による成果は以下の通りである。 (1)低周波動揺に対する座位人体の応答の計測 座位人体の力学的モデルの構築に必要となる情報を得るために,人間を被験者とした動揺暴露実験を行った。船体運動を模擬できる動揺シミュレータを用いて,横揺れに対する座位人体の応答をビデオカメラに録画した。被験者に加える動揺特性を系統的に変化させて,周波数応答特性を調べた。 (2)座位人体の動力学的ファクターの計測 座位人体の力学的モデルを構築する際に必要となる動力学的なファクター(質量,重心位置,慣性主軸,慣性モーメント等)を計測するための装置を開発した。高齢者や身体障害者等の車いす使用者への生理的・心理的負担をできるだけ小さくするために小型ロードセルを用いた計測システムを開発し,車いすおよび座位人体の質量および重心位置を精度良く求めることが可能となった。 (3)動揺環境における座位人体のモデリング 動揺中の座位人体の動きをビデオカメラに録画し,人体重心位置の動きを作図法によって解析・推定した。脊椎の運動モードには力学的ファクターの個人差のみならず疲労度や緊張度といった生理的・心理的状態が大きく影響するということがわかった。 旅客船等の実環境を想定した座位人体の厳密な応答モデルを構築するためには,身長・体重等の人体特性値に加え,そのときの生理的・心理的状態を考慮する必要がある。
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Research Products
(1 results)