2001 Fiscal Year Annual Research Report
一定応力の下で凍結融解作用を受ける岩石の変形・破壊挙動に関する基礎的研究
Project/Area Number |
12750825
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
児玉 淳一 室蘭工業大学, 工学部, 助教授 (70241411)
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Keywords | 凍結融解作用 / 一定応力 / 岩石 / 変形 / 破壊 / 凍結 |
Research Abstract |
凍結状態にある凝灰岩の供試体を用いた一軸圧縮試験とクリープ試験を実施し,凍結状態にある岩石の変形・破壊挙動を把握した後,供試体に凍結融解作用を与えながらクリープ試験を行い,一定応力の下で凍結融解作用を受ける岩石の変形・破壊挙動について調べた.前者の試験の温度は-20℃とし,後者の試験では温度を-20℃〜+20℃の間で繰り返し変化させた.供試体の含水比は12%である. 凍結状態にある凝灰岩の変形・破壊挙動には,次のような特徴が見られた.一軸圧縮試験では,強度破壊点の70%〜80%の応力レベルから軸ひずみの非直線性が顕著になり,未凍結状態(+20℃)の場合に比べ,軸方向,横方向ともに限界ひずみの値が大きい.強度破壊点以降,緩やかなひずみ軟化を示し,未凍結状態のような脆性的な破断は認められない.AEイベントは,載荷を開始した直後からほぼ一定の割合で増加し,強度破壊点以降も著しい急増傾向は見られない.B値は,強度破壊点以降までほぼ一定の値を示し,明確な低下傾向は見られない.一軸圧縮強度は,未凍結状態に比べ,60%程度大きい.クリープ試験では,3次領域に到ってもAEイベントの急増やb値の低下が明確に見られないまま,ひずみが急増する.明瞭な破断面は確認できず,未凍結状態の場合に比べ,全体的にひずみ量は大きい. 凍結融解作用を与えたクリープ試験では,凍結過程(-4℃→-20℃)と融解過程(+4℃→+20℃)にAEが頻発した.凍結状態(-20℃の間)において,ひずみはほぼ一定の割合で増加する傾向が見られ,融解状態(+20℃の間)では,最初,ひずみは急増するが,増加割合が次第に減少する傾向が見られた.
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