2000 Fiscal Year Annual Research Report
焼却灰の有害物質が発生しない完全循環型リサイクルシステムの開発
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12750830
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Research Institution | Kitakyushu National College of Technology |
Principal Investigator |
久池井 茂 北九州工業高等専門学校, 制御情報工学科, 講師 (50300653)
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Keywords | カオス / ジェットミル / 焼却灰 / リサイクル / 微粉砕 / 再資源化 / 完全循環型 / 粉体 |
Research Abstract |
本研究では,廃棄物を焼却した後に残る焼却灰を無害化し,さらにコンクリートの原料やセラミック材として製品化できるリサイクルシステムを開発する.廃棄物の処理にとどまらず焼却灰から新しい商品を作り出し,リサイクルする方法を考える.リサイクルするためにはまず,廃棄物から発生する有害物質の問題を解決しなければならない.そこで,粒子の大きさに着目した.すべての粒子を10ミクロン以下に細かくすることができれば,単一粒子として壊れることができなくなり,さらにこの状態で粒子毎にコーティングを施すことで有害物質が発生しなくなる. 本年度は,以下の二つに焦点を絞って研究を行った. (i)カオスジェットミルの開発 現在の気流式粉砕機は流体力学を基本として設計されているが,今日取り扱う気流は乱流であり,かつ混相流であるため理論値とは違う渦流を形成する.そこで,本研究では未知の乱流を扱う気流式粉砕機の開発にカオス理論を用いた.単段単列でしかなかった粉砕ノズルを多段多列にし,角度,風裏等を変化させることによって3次元的な渦を形成させることができる.つまり,高さ方向を考慮し多重層として渦流を発生させる.また,従来は,圧力や処理量のみで粒度分布の調整を行っていたが,渦流自体を変えて粒度分布の調整が行えるようにした.これより,不可能とされていた形状の粉体も粉砕でき,粉砕限界も飛躍的に上昇した. (ii)超低温気流粉砕システムの開発 現在の熱可塑性材料の粉砕方法としては,機械式粉砕が主なものである.液体窒素を用いて機械式に粉砕する冷凍粉砕システムは,-50℃まで冷凍して粉砕している.しかしながら,機械式の粉砕であるため,平均粒子径は数百ミクロンが限界である.また,運転に関しても複雑な作業を要している.そこで,本研究で,液体窒素を使わずに圧縮空気を用いて断熱圧縮の原理から気流式粉砕を行った.この原理を用いると7kgf/cm^2の時点で気流が-50℃まで下げることができる.よって,この状況下でカオスジェットミルを用いて粉砕すると,今まで不可能とされていた熱可塑性材料を数ミクロンのオーダーまで粉砕可能となった.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Shigeru KUCHII and Yuji TOMITA: "Properties of fine powders in a vessel"The 3rd Israeli conference for conveying and handling of particulate solids. Volumel,Chapter 3. 114-119 (2000)
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[Publications] Shigeru KUCHII and Yuji TOMITA: "Analysis of fine powders in a vessel based on gas-solid two-phase model"Proceedings of the XIIIth International Congress on Rheology. Volume 2. 404-406 (2000)
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[Publications] 久池井茂: "焼却灰の完全循環型リサイクルシステムの開発"北九州工業高等専門学校研究報告. 第34号. 83-88 (2001)