2000 Fiscal Year Annual Research Report
ダイズ塩誘導性遺伝子群の機能解析を通した塩ストレス応答性・生合成系の解明
Project/Area Number |
12760004
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
小島 俊雄 茨城大学, 農学部, 助手 (70311587)
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Keywords | ダイズ / 塩ストレス / cDNA-AFLP法 / 遺伝子発現 / 耐塩性 |
Research Abstract |
ダイズ由来の塩ストレス応答遺伝子群を単離するため、100mM NaClで3日間処理したダイズと未処理個体から抽出したRNAを鋳型サンプルとしてAFLP- based mRNA fingerprinting(cDNA-AFLP)法によるスクリーニングを行った。256通りのプライマー組み合わせによる解析の結果、塩処理、未処理個体共に約11,000本の増幅cDNA断片を検出し、両処理区間で増幅性の異なるcDNA断片を約5,000本得ることができた。そこで、このcDNA断片の中からNaCl処理個体でのみ特異的に増幅している106断片をプラスミドベクターにサブクローニングし、ノーザン解析による塩ストレス誘導性を再確認した後、塩基配列の決定及びBLASTによる既知遺伝子との相同性検索を行った。BLAST検索の結果、高等植物のクエン酸回路関連酵素、ヒートショックタンパク質やジャスモン酸誘導性タンパク質といったストレス誘導性タンパク質、転写制御やシグナル伝達に関与するタンパク質等、これまで塩ストレス応答性遺伝子として報告されたタンパク質(遺伝子)と高い相同性を示すcDNA断片をクローニングしていることがわかった。また、解析したクローンの約30%は機能未知なESTクローンと高い相同性を示したことから、ダイズ新規塩ストレス応答性遺伝子を単離した可能性が高い。現在、クローン化したcDNA断片の発現特異性、機能を詳細に理解するため、組織、経時性、各種ストレスへの応答性をノーザン解析及び定量RT-PCRによる解析、形質転換植物を利用した機能解析に向けて全長cDNA配列の単離を進めている。以上の結果は、第23回日本分子生物学会(神戸大会)で報告した。
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