2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12760044
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
川東 正幸 日本大学, 生物資源科学部, 助手 (60297794)
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Keywords | 土壌溶液 / 有機成分 / 無機成分 / 季節変動 / 腐植物質 / 単糖類 / フェノール酸 / 無機イオン |
Research Abstract |
異なる土地利用条件下の土壌から土壌溶液を定期的に採取し、その有機・無機成分組成を調べることによって、土地利用が土壌液相成分に及ぼす影響を経時的に捉えることを目的とした。対象地は厚層黒ボク土多腐植質に分類された林地、草地および畑地下の土壌と表層黒ボク土腐植質に分類された林地下および草地下の土壌とした。それぞれの土壌において、表層、20cm下および40cm下から土壌を不攪乱採取し、遠心分離法で土壌溶液を採取した。土壌溶液について、採取量、pH、ECおよび各種有機・無機成分を測定した。 いずれの土壌においても、pHは常に中性付近であった。ECは林地では深さに応じて低くなったが、畑地では深さに応じて高くなった。総イオン量と深さの関係において、林地、草地では表層で高く、深さに応じて低くなった。一方、畑地では深さが増すに従い、高くなった。陽イオンの大部分は4塩基類で占められ、Caが最も多く、その他のイオンは同程度であった。陰イオンでは硝酸イオン、塩素イオンが主体であった。陽イオンと陰イオンの関係は概ね等量、もしくは陰イオン量が多かった。全有機態炭素(TOC)はいずれの土壌においても、深さに応じて減少する傾向が認められ、林地下の土壌溶液は高い値を示した。6炭糖とフェノール酸量はTOCと類似し、深さに応じて減少する傾向が認められたが、その他の有機成分は深さに応じた規則性は認められなかった。また、各種有機成分の季節変動に規則性は認められなかった。一方、6炭糖に対する5炭糖の比はいずれの土壌においても夏季から秋季にかけて上昇し、その後減少する傾向が認められた。TOCと各種有機成分の合量の差として算出した未同定有機成分は林地では高く、草地、畑地では低い傾向を示した。以上、土壌溶液中の有機・無機成分組成の土壌断面内分布および季節変動は供給される有機物の差異や土地利用形態を直接反映するものと考えられた。
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Research Products
(1 results)