2000 Fiscal Year Annual Research Report
未利用資源からのキシロースなど単糖の生産および希少糖への変換
Project/Area Number |
12760061
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
高田 悟郎 香川大学, 農学部, 助手 (50322722)
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Keywords | セルラーゼ / 未利用資源 / 植物バイオマス / Aspergillus aculeatus / アビセラーゼ3 |
Research Abstract |
未利用資源の多くを占める植物バイオマスの主成分はセルロース・キシランなどの不溶性多糖類であり、潜在的に有効利用可能であるとともにごみの減量化にも注目されている。Aspergillus aculeatusは単糖生成力の強い糸状菌として分離した。本菌の産生する多糖分解酵素群は糖転移活性を全く持たない特徴があり、最終産物は単糖である。また、本菌由来の酵素剤はイナワラやみかんの皮を80%以上単糖まで加水分解した。本研究では、農産廃棄物を中心とした未利用資源の糖源としての有用性を検証し、さらに、新たに発見した酵素剤の成分であるセルラーゼの性質を調べた。 試料として、もみがら、ゴマ搾油カス、たまねぎ皮など数種類の糖組成を調べた。糖組成が単純なイナワラやもみがらはキシロースが主成分であり、利用性が高いと判断した。みかん皮やたまねぎ皮はガラクツロン酸やグルコース、フルクトースが多く、容易に利用可能と判断した。 不溶性多糖のセルロースからグルコースを得るにはセルラーゼが必要である。作用機作の異なるほとんどのセルラーゼは既知である一方、本菌より新たに発見したセルラーゼ、アビセラーゼ3は分類学上新規の酵素であり、役割解明がセルロースを効率よく分解するために重要である。本酵素遺伝子をクローニングし、Saccharomyces cerevisiaeで分泌発現させた。生産した酵素を精製し、諸性質を調べた。精製は結晶セルロースに吸着させセロビオースで溶出させるアフィニティー法で行った。精製酵素のN末端アミノ酸配列は元菌の酵素と一致した。分子量は120,000、糖含量は約40%で、pH、温度に対する性質は、pH2.0〜6.0の酸性側で安定であり、至適pHは3.0であった。また60℃以下で安定であり、至適温度は30℃だった。基質特異性を調べたところ、カルボキシメチルセルロースナトリウムに最も強く作用し、結晶セルロースに対しては10%の相対活性であった。不溶性セロオリゴ糖に対する分解機作は、鎖を大きくランダムに切断し、最終産物はセロトリオースとセロビオースであった。 本報告の新規酵素を含め一連のセルラーゼ群を作用させることにより、未利用資源から効率よくグルコースを取り出せると思われる。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] ZAKIARIA AHMED: "Biochmical Preparation of L-Ribose and L-Arabinose from Ribitol : A New Approach"JOURNAL OF BIOSCIENCE AND BIOENGINEERING. 88(4). 444-448 (1999)
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[Publications] SHAKHAWAT HOSSAIN BHUIYAN: "Preparation of L-Talose and D-Gulose from L-Tagatose and D-Sorbose, Respectively, Using Immobilized L-Rhamnose Isomerase"JOURNAL OF BIOSCIENCE AND BIOENGINEERING. 88(5). 567-570 (1999)
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[Publications] FUMIKI NAKATANI: "Cloning and Sequencing of an Endoglucanase Gene from Scopulaiopsis brevicaulis TOF-1212, and its Expression in Saccharomyces cerevisiae"BIOSCIENCE, BIOTECHNOLOGY, ANDOCHEMISTRY. 64(6). 1238-1246 (2000)
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[Publications] KEI TAKESHITA: "Mass Production of D-Psicose from D-Fructose by a Continuous Bioreactor System Using Immobilized D-Tagatose 3-Epimerase"JOURNAL OF BIOSCIENCE AND BIOENGINEERING. 90(4). 453-455 (2000)
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[Publications] KEI TAKESHITA: "Direct Production of Allitol from D-Fructose by a Coupling Reaction Using D-Tagatose 3-Epimerase, Ribitol Dehydrogenase and Formate Dehydrogenase"JOURNAL OF BIOSCIENCE AND BIOENGINEERING. 90(5). 545-548 (2000)