2000 Fiscal Year Annual Research Report
糖とタンパク質の新規な結合様式C-マンノシルトリプトファンの合成と生物機能の解明
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12760077
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
西川 俊夫 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助手 (90208158)
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Keywords | α-C-マンノシルトリプトファン / Scandium perchlorate / アジリジン / C-グリコシド / 糖鎖 / 位置選択性 / マンノース / トリプトファン |
Research Abstract |
ヒト尿中のリボヌクレアーゼから初めて発見されたC-糖アミノ酸であるα-C-マンノシルトリプトファンの全合成を達成した。まずα-メチル-D-マンノースから2段階で調製できる1,6-ジアセチルマンノースのスズアセチレンを使ったC-グリコシル化反応によってα-エチニルマンノースを得た。ついで、N-トシル-o-ヨウドアニリドとのSonogashiraカップリング、Castroのインドール合成法に従って、1-α-マンノシルインドールを合成した。トリプトファン残基の導入は、L-セリンから誘導したアジリジンカルボン酸とLewis酸存在下でのカップリングで行ったが、既に報告されていたSc(OTf)_3ではアジリジンの開環位置の異なるβ-アミノ酸が分離困難な生成物として副生してきた。そこで、2-メチルインドールを用いたモデル実験を行い、Sc(OTf)_3の代わりにSc(ClO_4)_3が収率、選択性ともに優れていることを見いだした。ついで、この条件でマンノシルインドールとのカップリングを行うと、完璧な位置選択性で反応が進行しα-C-マンノシルトリプトファンの完全保護体を得た。最後に2段階の脱保護によってα-C-マンノシルトリプトファンの全合成を達成した。この合成品のデータは天然物の文献値とよく一致した。 α-C-マンノシルトリプトファンの糖部分(グルコース、ガラクトース)の類縁体合成に関しては、別法で検討していたLarockのインドール合成によるアプローチがイソトリプトファンのみを与えることが分かり断念した。一方マンノシルトリプトファンの全合成のルートによるアプローチは、ほぼ類似の条件でそれぞれの完全保護体の合成が可能であったが全体に収率が低かった。現在、収率の改善ととともに最後の脱保護の段階にある。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] T.Nishikawa et al.: "Total Synthesis of a-C-Mannosyltryptophan, a Naturally Occurring C-Glycosyl Amino Acid"Synlett. (印刷中). (2001)
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[Publications] T.Nishikawa et al.: "Synthesis of Common Key Intermediate for (-)-Tetrodotoxin and its Analogs"Tetrahedron. (印刷中). (2001)