2000 Fiscal Year Annual Research Report
自己寛容における調節性T細胞の分化誘導メカニズムの解析
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12760097
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
香山 雅子 (伊勢 雅子) 東京理科大学, 生命科学研究所, 助手 (80318229)
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Keywords | TGF-β1 / トレランス / 調節性T細胞 |
Research Abstract |
本研究では、抹消での免疫寛容に重要な役割を担うTGF-β1産生能を有する調節性(Tr)細胞の分化誘導機構、及びT細胞からのTGF-β1産生機構についての解析目的としている。TGF-β1産生T細胞クローンの樹立や維持が困難であること、さらに現在の技術ではTGF-β1の検出感度が悪いなどの理由により、Tr細胞の分化制御機構やT細胞におけるTGF-β1遺伝子発現の分子機構の解明を難しくしている。TGF-β1プロモーターの制御化でgreen fluorescence protein(GFP)を発光するトランスジェニックマウス及びノックインマウスは、GFPの蛍光を追跡することによってin vivo及びin vitroでのTGF-β1産生T細胞の分化や誘導の様子を容易にモニターできるシステムとして有用である。マウスゲノムライブラリーよりTGF-β1のプロモーター領域およびエクソン1を含む領域のスクリーニングに成功し、現在これを用いてトランスジェニックマウス及びノックインマウスを作製している。さらに、TGF-β1を産生するTr細胞の分化誘導がTh2型のサイトカインによって促進されることが知られているが、その詳細な分子機構までの解析には至っていない。そこでIL-4 receptorからのシグナル伝達経路に関与している重要な分子の一つであるSTAT6に注目し、この分子とTGF-β1産生誘導機構との関係の検討を行った。IL-4によるTGF-β1産生の促進にはSTAT6に非依存的な経路が存在すること、およびIL-4はTGF-β1プロモーターの活性化には関与しないことをこれまでの研究で明らかにしている。
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