2000 Fiscal Year Annual Research Report
動物プランクトンの生体密度と生体内音速の変化に伴う音響反射率の変動の測定
Project/Area Number |
12760124
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
向井 徹 北海道大学, 大学院・水産科学研究科, 助教授 (60209971)
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Keywords | プランクトン / 生体密度 / 音速 / ターゲットストレングス / 魚群探知機 / 音響反射 |
Research Abstract |
1.プランクトンの生体密度および生体内音速の測定: 動物プランクトンの採集は,5月から12月にかけて北海道噴火湾において行ない,この海域の優占種であるツノナシオキアミの生体密度および生体内音速の測定を行なった。測定法は前年度までに確立したdensity bottle法およびTime of flight法によった。その結果,噴火湾のツノナシオキアミの生体密度は体長の増加に伴って増加するという,今までとは相反する結果が得られた。来年度もさらにこれらの測定を行ない,データの蓄積をはかるとともに,これらの季節変化が何に起因するかを特定していく。 2.プランクトンの音響反射率測定法の確立: 動物プランクトンの音響反射率の実測を行うため,低ノイズ型TS測定装置を特注・購入した。これは周波数170kHzと230kHzの2周波数を備え,半減全角はともに16度である。また,ダイナミックレンジは66dBあり,プランクトンのような小型個体の音響反射の測定にも耐えうると考えた。今年度はこの装置の開発および試用を行った。小型の水槽内において,音響反射率が既知のタングステンカーバイド球の音響反射を測定したところ,良好な結果が得られたが,送受波器の指向性の影響が若干大きかった。さらにホルマリンで固定したツノナシオキアミの音響反射を実測したところ,当初予測した音響反射よりも小さかった。これはあくまでもホルマリンで固定された個体のものであり,活きた個体に関しては未知である。従って来年度は,活きた個体を麻酔し各月ごとに音響反射を実測し,装置の再改良を行うとともに,生体密度・生体内音速の季節変化に伴う音響反射の変化を調べる。
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Research Products
(1 results)