2000 Fiscal Year Annual Research Report
寒冷地の農業流域河川における自然浄化作用に関する研究
Project/Area Number |
12760157
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山本 忠男 北海道大学, 大学院・農学研究科, 助手 (00312398)
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Keywords | 自然浄化 / 負荷 / 栄養塩類 / 全窒素 / 全リン / 硝酸態窒素 / 自然河川 |
Research Abstract |
(1)北海道十勝管内音更町に位置する家畜改良センター十勝牧場周辺の5つの農業流域河川を研究対象として設定した。そのなかでもとくにパンケウレトイ川を重点的に調査することとした。この流域の土地利用は、上流部に農地、下流部に林地が展開している。また、連続観測点を河川が林地に流入する直前(上流観測点=農業流域)と林地を貫流した最下流点(下流観測点=農業流域+林地流域)に設けた。土地利用状況ならびに営農状況の把握については、牧場などの関連機関の協力のもとおおむね必要なデータが得られた。 (2)上流観測点と下流観測点で水位の連続観測と定期的な採水をおこない、負荷量を算出した。その結果、自然河川区間を流下しても全窒素や硝酸態窒素の負荷は減少しない傾向がうかがえた。一方で亜硝酸態窒素やアンモニア態窒素では減少傾向にある。これら項目による変化傾向の違いは、各物質の安定性の違いと自然浄化作用の発現効果による影響と推察される。また自然河川区間からの流入負荷の影響を考慮した低減負荷量推定式を用いて自然浄化作用の定量化をおこなった。 (3)対象とする河川を踏査し、100m間隔で採水をおこなった。その結果、富栄養化に関わる水質項目の濃度は流下にともない、おおむね減少する傾向にあるとわかった。さらに500m間隔でタイルを敷設し、有機物付着量から自然浄化作用の定量化をおこなった。 以上が今年度の研究概要である。来年度は今年度の調査を継続し、データの蓄積をはかり、そのうえで自然浄化作用の要因解析をおこなう方針である。
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