2000 Fiscal Year Annual Research Report
畑地の最小耕うんによる土壤および富栄養化成分の流出制御と環境保全対策
Project/Area Number |
12760165
|
Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
三原 真智人 東京農業大学, 地域環境科学部, 助教授 (00256645)
|
Keywords | 最小耕うん / 富栄養化成分 / 土壤保全 / 環境保全 / 流出制御 / 窒素 / リン |
Research Abstract |
本研究では人工降雨装置を備えた傾斜模型試験枠を用いて流量、流亡土量、水質を測定し、耕うん方法の違いが流亡土量および栄養塩類の流出に与える影響について調べた。各試験区には試料土を乾燥密度1.00〜1.02g/cm^3の範囲で充填し、各試験区の実験条件に合わせて異なる耕うんを行った。試験枠Iは標準区とし、試料土を乾燥密度1.02g/cm^3で充填した。試験枠II,IIIは慣行耕うん法であるロータリー耕の浅耕および深耕を想定して、試料土を乾燥密度1.00g/cm^3で充填した後、ロータリー耕を擬似的に再現した。試験枠IIは浅耕区とし、地表面から深さ0.10mまで乾燥密度0.75g/cm^3となるように攪乱した。試験枠IIIは深耕区とし、試験枠IIと同様な方法で地表面から深さ0.20mまで乾燥密度0.75g/cm^3に調節した。試験枠IVは局所耕うんを縦0.25m,横0.25mの間隔で14箇所に行い、耕うんをした部分にはゴム栓で蓋をした。各試験区の地表面は裸地状態にした。 標準区、局所耕うん区の表面流去水量は120.47dm^3および114.59dm^3であるのに対して、浅耕区、深耕区では90.23dm^3および82.45dm^3にすぎなかった。一方、浅耕区、深耕区の浸透流出量は34.70dm^3および36.12dm^3で、標準区、局所耕うん区の浸透流出量0.95dm^3および0.88dm^3を大きく上回った。また浅耕区、深耕区、局所耕うん区の流亡土量は標準区を下回った。特に浅耕区と深耕区の流亡土量は1104.19gおよび1040.88gで標準区の流亡土量4179.00gを大きく下回る傾向を示した。 標準区、浅耕区、深耕区、局所耕うん区における全窒素の全流出負荷はそれぞれ21.68g,11.47g,12.50g,14.27gであった。標準区、局所耕うん区において表面流出に伴う全窒素の流出負荷は20.23gおよび13.05gとなり、全流出負荷の98%をしめた。それに対して、浅耕区、深耕区において表面流出に伴う全窒素の流出負荷は7.41gおよび5.73gで、それぞれ全流出負荷の68%および48%にすぎなかった。 本実験条件下では浅耕区の流亡土量、全リン、全窒素の流出負荷が全試験区の中でもとっも低かった。今後、局所耕うん区において土壌表面に植生をほどこし、同様な条件下で実験を行う必要がある。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] 三原真智人: "浸透性沈砂池に埋設する有孔暗渠管における通水孔の構造特性"農業土木学会論文集. 207. 107-112 (2000)
-
[Publications] Machito MIHARA: "Nitrogen and Phosphorus Losses due to Soil Erosion during a Typhoon, Japan"Journal of Agricultural Engineering Research(EurAgEng). (in press). (2001)
-
[Publications] 塩倉,高橋,三原 他: "ジブティの沙漠緑化100景"東京農業大学出版会. 135 (2000)
-
[Publications] M.Stone 編 担当部分M.Mihara,T.Ueno著: "The Role of Erosion and Sediment Transport in Nutrient and Contaminant Transfer"International Association of Hydrological Science Press. 307 (2000)