2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12760189
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
塚原 伸治 早稲田大学, 人間総合研究センター, 助手 (90318824)
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Keywords | ロードーシス / 中隔野 / 中脳中心灰白質 / 性分化 / エストロゲン / ラット |
Research Abstract |
ラットの雌性行動であるロードーシスはエストロゲンが脳に作用することによって発現可能となる。雄では前脳中隔野に強力なロードーシス抑制力が存在しているため、多量のエストロゲンを投与してもロードーシスはほとんど生じない。本年度研究では、以下の実験を行い、雄ラット中隔野のロードーシス抑制力を形成する神経細胞の局在と投射部位を明らかとした。 1.ロードーシス統御領域である中脳中心灰白質へ逆行性トレーサーを注入し、中隔野のトレーサー標識神経細胞の分布を調べた。さらに、中隔野腹側部神経切断を行い、対照群の中隔野に観察された神経細胞数と比較して、その数が減少するか否か調べた。組織学的解析と共に行動観察も行った。対照群の雄ラットではロードーシスはほとんど見られず、多くのトレーサー標識神経細胞は外側中隔野の中間部に分布していた。神経切断された雄ラットではロードーシスが促進され、外側中隔野中間部のトレーサー標識神経細胞数は対照群に比べ顕著に減少していた。 2.雄ラット外側中隔野に順行性トレーサーを注入し組織学的解析を行った。その結果、外側中隔野の神経細胞は中心灰白質へ投射していることが確認された。 3.中隔野の神経細胞のみを選択的に破壊し、雄ラットのロードーシス発現を観察した。その結果、外側中隔野の中間部が完全に破壊された雄ラットにおいてロードーシスが促進された。 以上の結果から、雄ラットの外側中隔野中間部に局在する神経細胞はロードーシス統御領域である中心灰白質へ投射しており、その統御機能を修飾することでロードーシスを抑制しているものと考えられる。次年度研究として、中隔野のロードーシス抑制神経細胞が産生する伝達物質の同定を行う。雌の中隔野にもロードーシス抑制力が存在し、その抑制力には雌雄差があることが報告されていることから、中心灰白質へ投射する中隔野の神経細胞数の雌雄差を明らかとする実験も計画している。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Maekawa,F.: "Localization of glucokinase-like immunoreactivity in the rat lower brain stem : for possible location of brain glucose-sensing mechanisms."Endocrinology. 141.1. 375-384 (2000)
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[Publications] Tsukamura,H.: "Peripheral or central administration of motilin suppresses LH release in female rats : a novel role for motilin."Journal of Neuroendocrinology. 12.5. 403-408 (2000)
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[Publications] Tsukamura,H.: "Intracerebroventricular administration of melanin-concentrating hormone suppresses pulsatile luteinizing hormone release in the female Rat."Journal of Neuroendocrinology. 12.6. 529-534 (2000)
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[Publications] 塚原伸治: "視床下部におけるエストロゲンによる性腺刺激ホルモン放出ホルモン分泌制御"ヒューマンサイエンス. 12.2. 38-47 (2000)
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[Publications] 山内兄人: "雌性行動神経制御におけるエストロゲンの作用と性分化"自律神経. 37.2. 221-228 (2000)
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[Publications] 塚原伸治: "雄ラット中枢神経系における雌型性行動制御機構:中隔外側核の抑制機構を中心として"日本性機能学会雑誌. 15.3. 343-352 (2000)
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[Publications] Tsukahara,S.: "Neurohistological and behavioral evidence for lordosis-inhibiting tract from lateral septum to periaqueductal gray in male rats."Journal of Comparative Neurology. 431.3. 293-310 (2001)