2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12760194
|
Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
本道 栄一 山口大学, 農学部, 助教授 (30271745)
|
Keywords | ラット / 精巣 / SKD3 |
Research Abstract |
近年、哺乳類精細胞分化における熱ショック蛋白質(HSP)の重要性がクローズアップされ、新たなメンバーがクローニングされるようになった。しかし、その機能のみならず局在すら明らかになっていないものが多い。本研究では、新たにクローニングしたHSPファミリーのひとつであるラットSKD3を用いて、そのmRNAおよびアミノ酸構造及び精巣における局在といった基礎データを収集するとともに、機能の全貌を明らかにし、精子発生の分子機構を明らかにすることを目的とした。 予備実験で行ったmRNAの精巣における局在および作製した抗体を用いたSKD3蛋白質の局在、mRNAの組織特異的発現パターン、腫瘍株化ライディッヒ細胞(LC540)におけるSKD3蛋白質の局在について再調査した。次に、真核細胞発現ベクターにSKD3遺伝子を組み込み、LC540細胞に導入した(電気穿孔法)。導入したLC540細胞におけるSKD3蛋白質の変動をwestern blottingにより解析したところ、発現量は想定されるよりも少なかった。これらの成果については論文報告した。さらにSKD3遺伝子を導入したLC540細胞の形態を光学顕微鏡を用いて観察した。結果、光学顕微鏡の解像レベルでは、遺伝子を導入していないLC540細胞との有意な違いは認められなかった。今年度は、さらに同LC540細胞を用いて、細胞内の各種ステロイド代謝酵素の変動を検討した。結果、SKD3には、ステロイド代謝を制御する作用がないように思われた。SKD3蛋白質のライディッヒ細胞における分布から考えて、SKD3は分子シャペロンとしての作用を強く持つ可能性が考えられた。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] Morigaki T, Hondo E et al.: "Cycle of the seminiferous epithelium in the Java Fruit Bat (Pteropus vampyrus) and the Japanese Lasser Horseshoe Bat (Rhinolophus cornutus)"J. Vet. Med. Sci.. 63. 773-779 (2001)
-
[Publications] Hondo E, Kobayashi T et al.: "Molecular Cloning and Expression of Suppressor of Potassium Transport Defect 3 (SKD3) in Rat Testis"J. Reprod. Dev.. 47. 173-180 (2001)
-
[Publications] Kitamura N, Tanimoto A, Hondo E et al.: "Immunohistochemical study of the ontogeny of prochymosin-and pepsinogen-producing cells in the abomasum of sheep"Anat. Histol. Embryol. 30. 231-235 (2001)
-
[Publications] Namba Y, Hondo E et al.: "A study of reproductive performance in pregnant, IL-2 receptor beta-chain overexpressed transgenic mice."J. Vet. Med. Sci.. 63. 99-101 (2001)
-
[Publications] 日本獣医学会編: "獣医組織学(第2版)"学窓社. 315 (2001)
-
[Publications] 林良博, 橋本善春(監訳): "犬の解剖アトラス"学窓社(印刷中).