2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12760213
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
宇根 智 山口大学, 農学部, 助手 (60294659)
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Keywords | 遺伝子導入 / リポフェクション / ブタ腎細胞 / 細胞移植 |
Research Abstract |
本研究では、遺伝子導入法として細胞毒性が低く、比較的効率が良く、操作が簡便なリポフェクション法を用いて、異種移植の領域で広く使われているブタの腎細胞(PK15)への遺伝子導入法を検討した。 トランスフェクション試薬として非リポソーマル脂質を使ったFuGENE6と、カチオニックリポソームであるDOTAPを使用し、β-ガラクトシダーゼ(β-Gal)をコントロールベクターとしてPK15への遺伝子導入の条件を検討した。検討条件として、導入時間を1〜96時間、DNA量を0.05〜0.8μg/well、細胞量を5×10^2〜5×10^6cells/mlで検討した。ELISA法にてβ-Galの活性を、X-Gal染色にてβ-Galの発現を評価した。また、トランスフェクション後のβ-Gal活性および遺伝子発現を1〜14日間測定し、その維持期間を観察した。細胞毒性については、フルオレッセイン-エチジウムブロマイド法にて検討した。 遺伝子導入効率をもとに最適条件は導入時間が両方のトランスフェクション試薬で24時間、DNA量はFuGENE6で0.4μg/well、DOTAPで0.8μg/well、細胞量はFuGENE6で染色した結果では5×10^2cells/ml、ELISAの結果ではDOTAPも同様に5×10^4〜5×10^5cells/mlであった。遺伝子導入後のβ-Gal活性の高値はFuGENE6で5日間、DOTAPで6日間維持された。両方のトランスフェクション試薬で導入されたPK15は8日間高い生存率を維持し、コントロールベクターのみ添加のコントロールPK15と生存率に相違は認められなかった。FuGENE6とDOTAPの比較では、FuGENE6は、より少量のDNA量で高いβ-Gal活性を示したが、維持期間はDOTAPがより長く維持された。
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