2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12760213
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
宇根 智 山口大学, 農学部, 助手 (60294659)
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Keywords | 遺伝子導入 / リポフェクション / ブタ腎細胞 / 細胞移植 / 糖鎖 / レクチン / 細胞障害 |
Research Abstract |
本研究では、ブタ-イヌ間の異種移植時に起こる超急性拒絶を起こすイヌ抗ブタ抗体と、その抗原となりうるブタ細胞上の糖鎖について検討した。 ブタ抗原としてブタ腎(PK15)細胞を用い、20種類の糖鎖を各種濃度で添加したイヌ血清のPK15細胞に対する細胞障害抑制試験を実施した。さらにイヌ血清による細胞障害を抑制する糖鎖のうち、その糖鎖に結合することが判明しているレクチンを用い、レクチンによるイヌ血清の細胞障害抑制試験を実施した。 無処置のイヌ血清は、PK15細胞に対し、98.1%±4.2(mean±SD)の細胞障害率を示し、熱処理後のイヌ血清ではほとんど細胞障害を示さなかった。このことから、イヌ-ブタ間の細胞障害には、イヌ抗ブタ抗体と抗原、補体の関与が示唆された。今回用いた20種類の糖鎖のうち、N-acetyl-β-Mannosamineが47.4%と最もよくイヌ血清のPK15細胞に対する細胞障害を抑制し、α-D-Galactose-1-phosphate、Arabinogalactan、N-acetyl-Glucosamine、Galactal(ICN)の順で抑制した。また、それらを混合使用することにより、細胞障害率を72.6%低下させることが可能であった。N-acetyl-Glucosamineに特異的に結合するWGAレクチンは、ブタ細胞上に存在しているこの糖鎖への抗体の結合を競合阻害することにより、細胞障害を低下させることが可能であった。 今回の研究から、ブタ組織上にはイヌ抗ブタ抗体の特異抗原となりうる糖鎖が存在し、その糖鎖と抗体との結合を阻害することで、超急性拒絶を起こしうる反応を抑制することが判明した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] S.Une: "Standardization of procedure for efficient gene transfer into pig kidney cells using lipid-mediated transfection"Xenotransplantation. 8.suppl.1. 83-84 (2001)
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[Publications] T.Kakimoto: "Identification of carbohydrate that bind canine anti-porcine antibodies"Xenotransplantation. 8.suppl.1. 83-83 (2001)