2000 Fiscal Year Annual Research Report
線虫(C.elegans)を用いた外因性内分泌撹乱化学物質の影響評価手法の確立
Project/Area Number |
12760215
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
星 英之 大阪府立大学, 農学生命科学研究科, 助手 (30301188)
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Keywords | 環境ホルモン / 生殖毒性 / バイオアッセイ / 17β-エストラジオール / ビスフェノールA / トリブチルスズ / Caenorhabditis elegans / 1世代影響 |
Research Abstract |
【目的】線虫(Caenorhabdltis elegans)を用いた簡便・迅速・低コストな外因性内分泌撹乱化学物質(EDs)のin vivo生殖毒性評価手法確立を目的として研究を行った。 【材料と方法】線虫(Ce)N2株を定法に従い16℃で成虫になるまで培養後、次亜塩素酸処理により卵を単離した。次に17β-エストラジオール(EST)、ビスフェノールA(BPA)および塩化トリブチルスズ(TBT)を含有したNGM寒天培地(コレステロール無添加)に卵を載せ16℃で培養を行った。6日後雌雄同体成虫の精子(SP)および生殖細胞(GC)の核をDAPI染色し蛍光顕微鏡下でカウントした。 【結果および考察】今回以下結果が得られた 1評価法に使用する培地および染色液は、それぞれ約50円/枚および3.4円/mlと低コストだった。 2EDsが与える1世代影響を脊椎動物に比べ短期間の6日間で判定可能だった。また、DAPI染色も簡便に行えた(所要時間約1時間)。 3Ceは体が透明なため、解剖・薄切等なしでSPおよびGCのカウントが可能だった。 4GCはEST(10^<-10>-10^<-6>M)、BPA(10^<-9>-10^<-5>M)およびTBT(10^<-9>-10^<-5>M)が溶媒コントロールに比べ有意な差を示した。またSPはGCと比較して有意な差を示すのにEST(10^<-10>-10^<-7>M)はほぼ同濃度、BPA(10^<-7>,10^<-4>M)およびTBT(10^<-6>,10^<-5>M)はより高濃度が必要だった。 現在、differential display法を用いてGCに影響を与える濃度域で変動する遺伝子の検出を行っている。またGCの維持に関与する遺伝子群についても発現量をノーザンブロットで確認する予定である。
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Research Products
(1 results)