2000 Fiscal Year Annual Research Report
ベージュラットを用いたアトピー性皮膚炎モデルの開発
Project/Area Number |
12760219
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Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
尾崎 清和 摂南大学, 薬学部, 助手 (40268496)
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Keywords | ベージュラット / 皮膚炎 / 好酸球 / アトピー / 組織学 / 免役組織学 / インターロイキン / 動物モデル |
Research Abstract |
Chediak-Higashi症候群のモデル動物であるベージュラットには痂皮形成を伴う皮膚病変が高率に自然発生する。本病変は掻痒感、出血、糜爛、痂皮および脱毛を初徴として頚部に始まり、次第に背部体幹全体に広がり慢性好酸球性ないし海綿状皮膚炎と診断される。今回は病変中の肥満細胞、好酸球、リンパ球の動態を組織学的に検索し、血漿中のIgEおよびサイトカインを測定したので報告する。 【結果】血漿中IgE値は皮膚病変が形成され始める13週で上昇しはじめ、16週では4週の約100倍となり52週まで高値を持続した。組織学的には真皮表層の肥満細胞の脱顆粒につづき出血、痂皮形成を伴う糜爛に移行した。糜爛部の真皮にはCD4+,CD8+のリンパ球、ED1+,ED2+のマクロファージ、好中球、好酸球、肥満細胞の血管周囲性あるいは瀰漫性浸潤を認めた。慢性化に伴い表皮肥厚、正角化亢進および毛細血管の血管壁の肥厚が目立ち、炎症細胞浸潤は軽減した。また、血漿中のIL-4、IFN-γ、IL-2は変動しなかった。 【まとめ】IgEの上昇に伴い皮膚病変が形成され、肥満細胞の脱顆粒、好酸球の浸潤があることから本病変形成にはアレルギー性の機序が考えられた。また、血液レベルではサイトカインの変動は起こっていないことが推察された。今後は、皮膚局所におけるサイトカインの変動を検索していく予定である。
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