2001 Fiscal Year Annual Research Report
ベージュラットを用いたアトピー性皮膚炎モデルの開発
Project/Area Number |
12760219
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Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
尾崎 清和 摂南大学, 薬学部, 助手 (40268496)
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Keywords | atopy / atopic dermatitis / beige / skin / Rat |
Research Abstract |
Chediak-Higashi症候群のモデル動物であるベージュラットには痂皮形成を伴う皮膚病変が高率に自然発生する。本病変は掻痒感、出血、糜爛、痂皮および脱毛を初徴として頚部に始まり、次第に背部体幹全体に広がり慢性好酸球性ないし海綿状皮膚炎と診断される。今回は皮内反応によるアレルゲンの検出、Passive cutaneous anaphylaxis reaction test, Maximization法および皮膚病変のサイトカインおよびケモカインの検索をおこなったので報告する。 【結果】各種抗原(コナヒョウヒダニ、ハウスダスト、飼料成分、床材)を皮内投与ないし皮膚貼付しその反応によりベージュラットのアレルゲンの検出を試みたが、明らかな陽性を得ることが出来なかった。Passive cutaneous anaphylaxis reaction testでのI型アレルギーの検出では陽性対照として用いたBNラットに比べると反応は弱いが、陰性対照であるDAラットに比べると強い反応を示した。Maximization法による皮膚接触感作性の検出においてベージュはDAラットに比べると感作性は高かった。次に、弱齢から老齢(4週齢から12ヵ月齢)までのベージュラットのうち皮膚病変の程度を未発症、軽度、中度、重度の段階に分け、その病変部の皮膚および同一個体の非病変部の皮膚および頸部リンパ節を採取しその皮膚病変のサイトカイン(IL-2,4,5,IFNガンマ)、ケモカイン(RANTES)のmRNAの発現をRT-PCRで検索したが、発現に一定の傾向を得ることが出来なかった。 【まとめ】前年度の解析により本病変形成にはアレルギー性の機序が考えられたが、今回の検索ではI型アレルギーや接触性皮膚炎を発生しやすい形質を明らかにし、アトピー性皮膚炎モデルとなる可能性がたかまった。今後はアレルゲンの特定と、炎症局所およびリンパ節でのサイトカイン発現を他のサイトカインを検索するとともにより高感度な方法を用いてサイトカイン発現パターンを検出しアトピー性皮膚炎モデルとして確立する。
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