2000 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトNRAMPファミリーにおける多面的表現型を司る分子機構の解明
Project/Area Number |
12770019
|
Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
田淵 光昭 山口大学, 遺伝子実験施設, 助手 (00294637)
|
Keywords | endosome / sorting signal / iron transport / membrane protein / apical membrane |
Research Abstract |
NRAMP2/DMT1は、哺乳動物においてはじめて同定された鉄輸送体である。これまでNRAMP2は、十二指腸上皮のアピカル膜からの鉄イオンの吸収とトランスフェリン依存的に取り込まれた鉄イオンのエンドソーム内から細胞質への輸送の両方に機能することが明らかになっている。また、NRAMP2にはIRE formとnonIRE formというオルタナティブスプライシングによって生じる2つのアイソフォームが知られていた。しかし、これら2つのアイソフォームの細胞内での機能的な違いについては明らかにされていなかった。本研究により、我々は、非極性細胞においては、NRAMP2のIRE formが後期エンドソーム・リソソームに局在すること、また、nonIRE formが細胞表層と初期エンドソームに局在することを明らかにし、これら2つのアイソフォームが細胞内において全く局在が異なることを明らかにした。また、極性細胞においては、IRE formは、エンドソーム(おそらく後期エンドソーム・リソソーム)にそして、nonIRE formはアピカル膜に局在することを明らかにした。これらの結果より、IRE formは、トランスフェリン依存的に取り込まれた鉄イオンのエンドソームから細胞質への輸送に、そして、nonIRE formは、十二指腸上皮におけるアピカル膜からの鉄イオンの取り込みに機能するのではないかということが示唆された。また、IRE formとnonIRE formとの局在の違いがC末端細胞質ドメインの約20アミノ酸の違いによることを明らかにし、この違いは、nonIRE formのC末端細胞質ドメインに含まれる-YXL-という配列に依存することを明らかにした。この配列は、極性細胞におけるアピカル膜へのソーティングシグナルとしても機能することを明らかにし、新たなアピカル膜へのソーティングシグナルを明らかにした。
|
Research Products
(1 results)
-
[Publications] Tabuchi M.: "Human NRAMP2/DMT1, which mediates iron transport across endosomal membranes, in localized to late endosomes and lysosomes in HEp-2 cells."Journal of Biological Chemistry. 275. 22220-22228 (2000)