2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12770087
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
高桑 徹也 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (40244933)
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Keywords | Fas遺伝子 / 甲状腺リンパ腫 / 橋本病 / 慢性甲状腺炎 / 遺伝子異常 / アポトーシス / lymphomagenesis |
Research Abstract |
Fasは、apoptosisのsignal伝達をつかさどる膜受容体で、Fasの異常はリンパ球細胞の蓄積をもたらす。甲状腺リンパ腫は、慢性甲状腺炎を背景に発症するリンパ腫である。Fas遺伝子の異常が甲状腺リンパ腫の発症に関与するかどうかを知るために、1995-98年に隈病院で手術・生検を受けた甲状腺リンパ腫26例、慢性甲状腺炎11例のFas遺伝子のmutationを検索した。症例からRNAを抽出しFasのopen reading frameをRT-PCR,cloning,sequencingした。Fas遺伝子のmutationはリンパ腫17/26例(65.4%)、慢性甲状腺炎3/11例(27.3%)と高率に認め、リンパ腫に有意に多く認めた。特徴的なmutation(1095istA10例,exon8del8例)が認められた。Fas遺伝子のmutationは全例death domainに変異をもたらした。認められたmutational geneをマウスリンパ腫細胞に強制発現させ、Fas抗体によるapoptosis誘導活性を調べ、これらのmutationがloss of function mutationであることを確かめた。Mutationをもったリンパ球はFasLによるapoptosisに抵抗性を持ちgrowth advantageを獲得すると考えられ、lymphomagenesisに関与すると推察した。 われわれは、鼻腔リンパ腫14例についてもFas遺伝子変異の検索を行い、7例に異常を認めた。Fasの異常は、リンパ腫発生に共通の現象である可能性も考えられ、現在検索中である。
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Research Products
(1 results)