2000 Fiscal Year Annual Research Report
肺がん細胞の神経内分泌分化におけるHASH-1、HRY遺伝子の役割の解明
Project/Area Number |
12770098
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
蒋 世旭 北里大学, 医学部, 助手 (70276153)
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Keywords | hash-1 / hry / hes-1 / lung cancer / neuroendocrine |
Research Abstract |
1-(1).11種のヒト小細胞癌(SCLC)株と我々が樹立した1種のヒト肺の大細胞性神経内分泌癌(LCNEC)株でのHASH-1とその特異的な転写抑制遺伝子HRYの発現をRT-PCR法にて調べた。10/11のSCLC株とそのLCNEC株にHASH-1とHRYの何れも発現し、HASH-1(-)の1株のSCLCは神経内分泌(NE)分化の消失したvariant SCLC株であり、HASH-1の発現と肺癌細胞のNE分化との密接な関係が示唆された。SCLCとLCNEC株にHASH-1とHRYが同時に発現し、HASH-1発現の負の制御因子はHRYだけでなく、他の因子も関与していると推測された(第89回日本病理学会総会発表)。 1-(2).44例のヒト肺腺癌と扁平上皮癌の手術生組織でのHASH-1とHRYの発現をRT-PCR法にて調べた。HASH-1、HRYの発現はそれぞれ3例と42例に認めた。NEマーカーの免疫染色では、HASH-1(+)の3例の内2例には部分的な陽性反応を認めた。HASH-1が肺の典型的なNE腫瘍のSCLC及びLCNECのみに発現するだけでなく、部分的なNE分化を示す非小細胞癌にも特異的に発現し、HASH-1は肺癌細胞のNE分化の決定・維持遺伝子であることが強く示唆された。(ホルモンと臨床,48(増刊号):204-211;2000、第23回国際病理学会、第4回日本内分泌病理学会発表)。 2.ホルマリン固定したヒト非小細胞肺癌26例、SCLC 20例、LCNEC 20例とcarcinoid 10例でのHASH-1 mRNA non-RI in situ hybridizationでは、多くのSCLC,LCNECとcarcinoidに強発現を認め、非小細胞肺癌例の何れも陰性であった。HASH-1が肺癌の新しいNEマーカーであることが強く示唆された。
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Research Products
(1 results)