2001 Fiscal Year Annual Research Report
多検体insitu hybridizationを用いた浸潤先進部発現遺伝子の探索
Project/Area Number |
12770103
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Research Institution | National Cancer Center Research Institute and Research Center for Innovative Oncology, National Cancer Center Hospital East |
Principal Investigator |
藤井 元 国立がんセンター, 研究所・病理部, 研究員 (90321877)
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Keywords | in situ hybridization / 多検体 / 浸潤先進部 / スクリーニング / ポストゲノム / 遺伝子発現 / 腫瘍 |
Research Abstract |
本研究はライブラリー中の独立クローンを鋳型にin situ hybridization(ISH)を用いたscreeningを行うことで、部域的に発現の差異が認められる遺伝子の探索を行い、浸潤・転移機構解明への寄与を図るものである。平成13年度は研究計画の下、以下の実験・開発を行い、下記の実績を得た。 1)多検体ISHの開発 平成12年度の研究により実現したマルチウェルプレートを用いたDigoxigeninラベルcRNAプローブ高速作成・精製法を利用して、多検体でISHを行えるシステム全体の開発を行った。年度前半はサンプルとしてマウス移腫瘍組織をマイクロスライサーによって準薄切し、その厚切り切片に対するsemi-whole mount ISHを、独自に開発した生体サンプル容器(特許出願済)を用いて行うシステムを利用した。年度後半はより多くのサンプルが利用可能な人体組織パラフィン包埋標本を用いて対応できるようガラス製の96-LowWellPlateを開発し、より高速・高効率にスクリーニングが行えるような改良を加えた。 2)大腸がん腫瘍部にて特異的に発現が上昇する遺伝子の探索 実際の人体腫瘍組織で特異的に発現している遺伝子を探索する目的で、ヒト大腸がんを用いて解析を行った。スクリーニング効率を高めるため腫瘍組織CDNAに対して正常組織CDNAでSubtractive Suppress ive Hybridizationを施し、濃縮をかけたライブラリーを用いてISHによるスクリーニングを行うことで、病理学的所見を伴って腫瘍特異的に発現する遺伝子を探索した。 残念ながら先進部などで特異的な発現を示す遺伝子は今回の探索では見つけられなかったが、大腸がん腫瘍部に特異的な発現を示す遺伝子を多数単離できた。中でもRack-1遺伝子は従来考えられていた様に腫瘍内に豊富に有る血管内皮細胞やリンパ球に発現しているのではなく、腫瘍組織自体に発現していることが確認された。この発見はISHによってスクリーニングを行ったからこそ見いだされた知見であり、この様な手法による遺伝子探索の発展性と有用性を示す好例となった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Yamamoto Y, Sakamoto M, Fujii G, Kanetaka K, Asaka M, Hirohashi S: "Cloning and characterization of a novel gene, DRH1, down-regulated in advanced human hepatocellular carcinoma."Clinical Cancer Research. 7(2). 297-303 (2001)
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[Publications] Saito A, Fujii G, Sato Y, Gotoh M, Toda G, Horohashi S: "Detection of genes expiessed in primary colon cancers by in situ hvbridization : RACK1 is overexpressed in colon cancers."Molecular Pathology (J. Clin. Pathol). 55(1). 34-39 (2002)