2000 Fiscal Year Annual Research Report
イノシトールリン脂質3キナーゼに会合する新規シグナル分子p100の機能解析
Project/Area Number |
12770170
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
井鍋 一則 関西医科大学, 医学部, 助手 (30309215)
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Keywords | BCR / PI3K / BCAP / アダプター分子 |
Research Abstract |
イノシトールリン脂質3キナーゼ(PI3K)がB細胞レセプター(BCR)依存性に活性化されることは、B細胞の分化・発生に重要な役割を担っている。しかしながら、その活性化が直接的なものか、あるいは、アダプター分子の存在を介して活性化されるのか明らかにされていなかった。アダプター分子の存在が必要であるという仮説のもとにその分子を単離して機能解析を行った。 PI3Kは2つのサブユニットp85とp110サブユニットから構成されており、特にp85サブユニットのSH2ドメインは、シグナル伝達上、チロシンリン酸化されるタンパク質に結合し、非常に重要なドメインであることが知られている。従ってp85のSH2ドメイン及び抗チロシニリン酸化抗体に結合する蛋白質の単離を試みた。その中の一つの分子P100(BCAP)分子をクローニングし、この分子の機能解析を行った。この分子を特異的に欠損するB細胞をgene-targeting法により樹立し、機能障害が生じるかどうかを検討した。その結果、1)BCR依存性PI3K活性化にBCAPが重要な役割を担っていること、2)BCAP欠損細胞でも依然約1/3位のPI3K活性化が認められた。このことは、BCAP以外にもPI3K活性化を担っている分子がさらに存在することを示唆する。3)PI3K活性化が不十分なためと考えられるが、カルシウムシグナルも有意に減弱していた。4)PI3Kは細胞アポトーシス回避に重要な役割を担っていることが指摘されていたが、事実、PI3K活性化が不十分なためBCAP欠損細胞ではアポトーシスの増強が視察された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Ishiai,M. et al.: "Involvement of LAT, Gads, and Grb2 in compartmentation of SLP-76 to the plasma membrane."J.Exp.Med.. 192. 847-856 (2000)
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[Publications] Kurosaki,T. et al.: "Regulation of phospholipase C-γ 2 pathway in B cells."Immunol.Rev.. 176. 19-29 (2000)