2000 Fiscal Year Annual Research Report
糖尿病スクリーニングの有効性評価のための新しいシミュレーションモデルの開発
Project/Area Number |
12770196
|
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
片山 貴文 徳島大学, 医学部, 助手 (60268068)
|
Keywords | 糖尿病 / スクリーニング / 医療経済的評価 / マルコフモデル / モンテカルロ法 / 計算機シミュレーション / 生活の質 / 生活習慣病 |
Research Abstract |
マルコフモデルとモンテカルロ・シミュレーションを用いた従来型の手法による評価を実施した。評価では、分析の立場として社会の立場を用い、対象者を40歳の一般的な地域住民として、スクリーニングを実施しない場合を基準に、生涯にわたり毎年、5年ごと、および1回のみ実施の3条件を用いた。その結果、スクリーニングを実施しない場合と比べ、その効果は0.07年(1回のみ実施)〜0.14年(毎年実施)の生存年延長であった。生活の質を調整した生存年(QALY)では、0.10年(1回のみ実施)〜0.19年(毎年実施)の延長であった。生涯の総費用は、スクリーニングの実施によって、13万円(1回のみ実施)〜63万円(毎年実施)増加した。費用・効果ともに年率5%で割引いた場合、生存年を1年延長するのに要する費用が、毎年、5年ごと、1回のみ実施で、それぞれ1,844万円、1,825万円、1,603万円であった。同様に、QALYを1年延長するのに要する費用は、それぞれ957万円、954万円、805万円であった。感度分析の結果、以上の結果は合併症の費用、合併症の発症率に比較的敏感であり、スクリーニングの費用、糖尿病の発症率、有病率、受動的発見による受療率には敏感ではなかった。以上の結果は、2型糖尿病スクリーニング実施に対して、中等度の根拠を示すと考えられる。ただし、結果の安定性については、設定条件についての追加研究による検討が必要と考えられる。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] 片山貴文 他: "2型糖尿病スクリーニングの経済的評価"日本衛生学雑誌. 56・1. (2001)
-
[Publications] Takafumi KATAYAMA, et al.: "Economic Evaluation of Screening for Type 2 Diabetes in Japan"17th Annual meeting of the International Society of Technology Assessment in Health Care, Book of Abstracts. (2001)